発声のトレーニングが頭痛に効いた!

●頭痛を改善するには発声トレーニング

こんなメールをいただきました。

体の使い方として取り上げた「頭部の位置調整」が、頑固な頭痛を消し去った、という体験談です。

今朝から軽く頭痛がしたのですが、
「胴体の上に頭部を乗せる」を思い出し、しばらく意識していたら、
いつの間にか頭痛が治まってました。

頭痛がひどくなると寝込んでしまうので、
教わっていて良かったです!

よかったですね。寝込まずに済んだとは、たいへん大きな実益でしたね。

発声に取り組むと、体の使い方、意識の整え方など、一見声とは関係なさそうな事柄がトレーニングメニューに入ってきます。

発声は全身でおこないますから、口や喉のあたりの構えだけでなく、胸郭のやわらかさ、横隔膜の動きによる呼気のコントロール、身体の土台作り(下半身の安定)、呼吸、意識状態のコントロールなどが含まれます。

なにしろ、自分自身が楽器ですからね。

しかも、通常の楽器は、作る人と演奏する人が異なりますが、発声の場合自分で作っていかなければなりません。

「上手な人に任せる」というわけにはいかないのです。

たとえば今回届いた「胴体に頭部をバランスよく乗せる」についての体験談は、普段の「姿勢」を整えるトレーニングの一部です。

胴体に対して頭部がどんな位置にあるかによって、良い声が出るかどうかが影響を受けます。

特に頭部が前にずれたり落ちたりしていると、首の後ろの筋肉がこわばり、頭部への血行が悪化し、大事な脳への血流が不足して、意識状態が変わってしまいます。

頭部の血行は髪にも影響する、と話していた方もいます。

頭部への血行を改善すれば、逆に良いことずくめ、ということですね。

頭痛に悩んでいる方は、頭痛のことをいったん脇に置いて発声トレーニングに没頭しているうちに、いつの間にか改善されていますよ。

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良い声は脱力から

●「慣れ」は大事ですね

提出課題の音声を聴いていて、ウクレレの音色がすごく綺麗に聴こえた方にそう伝えたところ、「回数をこなしています。手が慣れてきました」と教えてくれました。

まさに練習の成果ですね。

トレーニングでは、「体の慣れ」は本当に大事です。

新しい発声技法やウクレレのコード進行などに取り組みだした当初は、体が慣れていないから、難しく感じますね。

「どうして難しいんだろう」「どうしたらやりやすくなるかな」なんて理由や対処法を考えたくなるかもしれません。

でもたいていは「練習不足」。

体が動きに慣れるまで繰り返すと、「なんだ、意外に簡単だった」「いつの間にか手が勝手に動くようになった」という状態に、いつしかなっているものです。

たっぷり練習しましょう。


●良い声は脱力

ところで、たっぷり練習しているうちに、「変な癖」がつくと困りますね。

良い動作は繰り返せば繰り返すほどトレーニングになり、マズイ動作は繰り返すほど変な癖になります。

今回は「脱力」を気にしてみてください。

発声時に、クッと力んでいないか。

特に、喉、首、肩まわり。

力みが癖にならないように、「必要最小限の筋力で発声」することをいつも気にしましょう。

歌では高音を出す時に、力みやすい。

力む癖がつくのはたいてい、喉や首あたりにギュッと力を入れたときに「高い声が出た」「良い声が気がする」と感じたのがキッカケ。

その後、うまくいかないと、「力み」という方法を試してしまうわけです。

しかし、良い声には脱力が大事。

どこかに力を入れて、目指す声が出せたとしても、同じ声を楽に出せたら、そっちのほうが必ず良い声です。

話し声だって、同じですよ。

歌声より出力が小さいので、むしろ繊細で捉えるのが難しい。

たとえば、3の力で出せる歌声を10の力みで歌ったら、さすがに「プルプルするほど力みすぎ」と自覚できます。

しかし、1の力で出せるしゃべりで、2~3の力みで話しても、余計な力みが自覚できない。

だから、いつも「もっと楽に出せるかな」「もっと力を抜けるかな」と気にしているのがいい。

今、「祇園精舎の鐘の声……」と声を出してみて、余計な力が入っていませんか?

さあ、楽に、気持ちよく、「祇園精舎の鐘の声……」を繰り返してみましょう。

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Amazing Grace(アメイジング・グレイス)をウクレレ弾き歌い

●名曲をウクレレ弾き歌い


Amazing Grace(アメイジング・グレイス)をウクレレ弾き歌いできるように、練習を始めましょう。

こんな名曲をウクレレで弾き歌いできるようになったら、素敵ですね。

大丈夫、順を追って進めていけば、必ずマスターできて、最高に気持ちいいレパートリーが手に入ります。

一生の宝物になりますから、バッチリ仕上げましょう。

この歌は、多くの歌手がいろいろなアレンジでさまざまな歌い方をしているので、「どれが本当?」と迷ってしまいますね。

わりとクセのないシンプルな歌い方としては、こちらはいかがでしょう。



●アメイジング・グレイスの歌詞と単語



●アメイジング・グレイスのウクレレ楽譜(ト長調)



●Angels We Have Heard on High(荒野の果てに)の楽譜



●Joy to the World(もろびとこぞりて)の楽譜




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チリビリビン(Ciribiribin)を共鳴発声法でウクレレ弾き歌い

●「チリビリビン」をウクレレ弾き歌い


以前に部分的に使ったことのある「Ciribiribin」(チリビリビン)を、いよいよ本格的に共鳴発声法でウクレレ弾き歌いしましょう。

 

Ciribiribin(チリビリビン)

Parole di C. Tiochet
Musica di Alberto Pestalozza

Su, finiscila coi baci,
bel moruccio birichin!
E non vedi tu la luna
che dal ciel fa capolin?
E se pur la luna spia,
noi lasciamola guardar;
anzi il pallido suo raggio
ci consiglia a seguitar!

Ma poi… chi sà…? Cosa dirà…?
Eh! via… dirà… Cosa dirà?

Ciribiribin, Ciribiribin, Ciribiribin,
Ciribiribin, che bel faccin,
che sguardo dolce ed assassin!
Ciribiribin, che bel nasin,
che bei dentin, che bel bocchin!
Ciribiribin, che bel nasin,
che bei dentin, che bel bocchin!
Ciribiribin, Ciribiribin, Ciribiribin,
che bel bocchin!

さあ、口づけはおしまい、
素敵な色黒の腕白さん
見えないの? お月さまが
空に小さな顔を出したのが。
月が覗いてたって
覗かせておけばいい
それどころかあの青白い輝きは
もっと続けなよとけしかけてる。

だけどそうなら……わからない
なんて言うかしら? なんて……

チリビリビン、チリビリビン……
チリビリビン、なんて美しい顔
なんて甘く魅惑的な眼差し
チリビリビン、なんて美しい鼻
なんて美しい歯、なんて美しい口
チリビリビン、なんて美しい鼻
なんて美しい歯、なんて美しい口
チリビリビン、チリビリビン……
なんて美しい口。

 

 


●チリビリビンCiribiribin歌詞




●チリビリビン楽譜(ハ長調)

 

 

 

「Santa Lucia luntana」を使って発声トレーニングしよう

●ナポリターナ「Santa Lucia luntana」


今月はナポリターナの名曲「Santa Lucia luntana」を使って、発声の練習をしましょう。

日本では「Santa Lucia」のほうが知名度が高いのですが、こちらもたいへんすばらしく、共鳴発声法で歌ったときの気持ちよさといったら、さらに上の気がします。



Santa Lucia luntana

(遥かなるサンタルチア)
E.A.Mario(1884-1961)

Partono ‘e bastimente
pe’ terre assaje luntane…
Cantano a buordo: sò napulitane!

Cantano pe’ tramente
‘o golfo già scumpare,
e ‘a luna, ‘a miezo ‘o mare,
nu poco ‘a Napule
lle fa vedè…

Santa Lucia!
Luntano ‘a te
quanta malincunia!
Se gira ‘o munno sano,
se va a cercà furtuna…
ma, quanno sponta ‘a luna,
luntano ‘a Napule
nun se pò sta!

船が出ていく
はるか遠い地に向かって
船上で歌う者、それはナポリの者たちだ!

歌ううちに陽は落ち
湾はすでに暗くて見えない
月が海の中ほどに昇ると
かすかにナポリの
姿が見える……

サンタルチアよ!
お前と離れるのは
なんと寂しいことだろう!
人々は世界を巡っていく
幸せを求め……
でも月が昇ると
ナポリから遠く離れることなど
とても耐えられはしない!




●歌詞と日本語訳


●楽譜


●歌詞の音読サンプル




●カイマナヒラ(Kaimana Hila)の楽譜メロディーのみ

●カイマナヒラ(Kaimana Hila)の楽譜コード付き





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