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2018年12月29日 | カテゴリー : 声のサロン | 投稿者 : voice_salon

言葉は「投げる」のではなく、「手渡す」


●言葉は投げずに手渡す

言葉は投げてはいけません。

「会話はキャッチボール」と言われますが、文字どおりキャッチボールをイメージして言葉を「投げる」と、発声が雑になります。

特に文末の処理(フレーズの切り方)が乱暴になりやすく、声がブツッとぶっきらぼうに切れてしまいます。

投げるのではなく「大切なものを手渡しする」イメージを持って話すと、文末の声が丸くやわらかくなり、好印象を与える話し方になります。

ボールをイメージに使うトレーニングがあるので、試しに一緒にやってみましょうか。

5mぐらい離れたところにいる店員さんに「すみません」と呼びかけるとき、手にしたボールを投げつけるイメージで「すみません!」と声を出してみてください。

いかがですか。相手がビクッとするような、強くて鋭い声が出たでしょう。

次に、同じ距離にいる相手に、手にしたボールを手渡すイメージをします。

「5m先の相手に手渡すって、どうやって?」

もっともな疑問ですね。つまり「腕を伸ばして」という意味です。イメージの中ですから、なんでもありです。腕がにゅ~っと伸びて相手のところまで届き、そこでボールを「はい」と手渡すイメージで、「すみません」と言います。

今度はいかがですか? 声量も十分でありながら、やわらかく心地よく、楽に受け取ってもらえそうな声になったでしょう。

喫茶店で店員さんを呼ぶ場面で、なんだか妙に強い声が出て、まわりのテーブルの人たちに振り向かれやすいなら、こんな簡単なイメージテクニックだけで、発声を改善することができます。

近距離でも遠距離でも使えるテクニックです。もちろん発声は技術ですから何度も練習をしないと安定しません。

狙った距離に良い声を届ける練習をたっぷりしておいて、本番に備えましょう。

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症状別ボイスカウンセリング……低くて暗い声

【低くて暗い声】

●「気持ち高め」で話すトレーニングをしよう

声が相手まで届いたとしても、その声が低くて暗かったら、快適なコミュニケーションになりません。

なぜ声が高めのほうがコミュニケーションがうまくいくのか。

テンションの高さと声の高さが比例するからです。

ふだんは落ち着きのある理性的な人でも、好きなことを熱く語るときは声が高めになります。

どんなに抑えを利かそうとしても、ところどころに無意識の盛り上がりがどうしても出てしまう。

たとえば私は砂浜からの投げ釣りでシロギスを釣るのが大好きなので、魚が掛かったときに釣竿に伝わってくるブルブルブルッという振動の興奮を、低くて暗い声で語りきる自信はありません。

私にキス釣りを教えてくれた指揮者も、やはり同様でした。「あのブルブルはたまらないですね」と話す私に被せるように「ブルブルどころじゃねえだろう。ドーンだろ、ドーン!」と立ち上がらんばかりの勢いで、音楽家らしい情熱をもって、同じ話を何度でも飽きさせることなく語りました。

つまりは、そういうことなんですよね。楽しくてワクワクすれば、声は自然に高まる。

声が低くて暗いということは、気持ちが高まっていない証拠。だからコミュニケーションがどんよりしてしまう。

何かを提案された人が「そうなんですか」と答えたとして、その声が低くて暗かったら乗り気ではなく、高めだったら乗り気になっている、と判断できます。

自分の話し声を低くて暗いと感じるなら、ピッチ(音高)を高めて話すトレーニングをしましょう。

 

●意識的に高めて話す「声の筋トレ」

「低い声を直したい」というご相談はよくあるのですが、意外なことに「高めで話す努力」をしている人は少ない。

おもしろいですよね。笑顔が少ないと自覚したら笑おうとするだろうし、変な口癖に気づいたら減らそうとするでしょう。

なのに、「声が低くて暗い」と自覚したり指摘されたりしても、「高めのまま話し続ける努力」をしようとしない。

あたかも、会話のピッチは自分の意思ではなく勝手に決まってしまうと信じているかのように。

だから、魔法のようなアドバイスで声の高さがスパッと変わると期待しているのかもしれません。

しかし、そうはいきません。まずは意識的に高めてみてください。

「声が低い」という悩みに対して「高く出して」という回答では、答えになっていないように思うかもしれませんが、「意識的なピッチのコントロール」が入り口です。

大事なのは、一瞬だけ声を高めるのではなく、ずっと高めをキープして話し続けること。

しばらく沈黙のインターバルを挟んでも、次回に話し出すときはまた高めでスタートする。

ピッチを高めるには、声帯を引っ張る筋肉を鍛えなければなりません。

筋肉を甘やかしているから、声が低くて暗いのです。

筋トレだと思って、高めで話し続けてみてください。

甲高いほど張り上げる必要はありません。「気持ち高め」で十分です。

「気持ち高め」というキーワードを覚えておきましょう。

聞き取りやすい話し方にもなるので、一石二鳥ですよ。

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