講師紹介

齋藤 匡章(さいとう まさあき)

声のサロン講師の齋藤です。発声診断士として発声指導者養成機関「音色塾」講師も務めています。

専門は心理言語学、言葉と声の関係を研究してきました。現在は、発声、話し方、プレゼンテーション、コミュニケーションなどを指導する一方、ナポリターナを歌うテノール歌手としても活動しています。

気持ちいい発声を味わったことはありますか?

多くの人は、声について考えるとき、

  • 相手に聞こえるか
  • 良い印象を与えられるか
  • 説得力があるか
  • 人前で堂々と話せるか

といった、聞き手への効果を気にします。もちろん、コミュニケーションですから、聞き手への影響は大事です。

しかし声には、発している本人への作用もあります。それが発声時の快不快、自分自身への自信、人前での緊張度、コミュニケーションに対する姿勢に影響するので、日々の快適さや幸福感を左右するのです。

声を出すと、その振動は自分の耳に聞こえるだけでなく、自分の身体にも伝わります。

共鳴がうまく捉えられたときの声が生み出す振動は、身体と調和してすばらしく心地よいものになります。喉に無理をかけず、身体の中に豊かな響きが生まれると、発声そのものが気持ちいい。話していても、歌っていても、ずっと声を出していたくなるような感覚です。

私はこの共鳴の心地よさを、受講者のみなさんにぜひ味わっていただきたいと思っています。

張り上げなくても自然に届く声を育てる

歌の発声と、日常の話し声は、かなり違うように聞こえるかもしれませんが、まったくの別のものではなく、発声の基本は同じです。

もっと詳しく言うと、歌の発声のほうが基本で、話し声(しゃべり)は応用です。歌の発声は動物の鳴き声に近く、しゃべりはもっと文化的な人間だけの活動だと言われれば、確かにそうだと納得できるでしょう。

だから、歌の中で身につけた発声、呼吸、共鳴、身体の使い方を、普段の会話に応用していく、というのが自然な順序です。

浜離宮朝日ホールでフェルモンド氏と共に

私自身、テノール歌手として、イタリア古典歌曲やナポリターナなどを歌っています。歌で共鳴を捉えたり脱力したりするトレーニングをして、その感覚を挨拶、日常会話、仕事でのやり取り、スピーチなどへ移していく。それによって、声を張り上げなくても、自然に届く話し声を育てることができます。

声のサロンで歌を扱うのは、歌手になるためではありません。もちろん歌手になるのも良いのですが、歌う楽しさを味わいながら、毎日の話し声を育てていくためです。

あなたらしい声を大切に

発声や話し方を学ぶというと、

  • 「もっと明るく話しましょう」
  • 「大きな声で、元気よく」
  • 「積極的に自己主張しましょう」

と求められるのではないかと、不安になる方もいるでしょう。

しかし、同じ話し方が誰にでも合うわけではありません。穏やかな人には、穏やかな人だからこそ出せる心地よい声があります。静かな人には、静かな人ならではの安心感や説得力があります。

無理に性格を変えたり、誰かの話し方を真似したりする必要はありません。今の自分を否定するのではなく、むしろ自分の体という「楽器」を大切にして、その性能を最大限に活かすことこそ、本当のあなたの声の魅力を引き出す唯一の方法です。

誰かの物真似をするのではなく、あなたという楽器の最高の鳴らし方を見つけるお手伝い──それが私の仕事です。

略歴

群馬県生まれ、新潟県育ち。新潟大学人文学部卒業後、同大学院で心理言語学を研究し、言葉と声の関係を専門とする。言語戦略研究所所長。発声指導者養成機関「音色塾」講師(日本発声協会認定発声診断士)。発声、話し方、プレゼンテーション、文章、コミュニケーションに関する講座や研修をおこなう。テノール歌手として、クラシック音楽会、新潟ガラコンサート、新潟クラシックストリートなどに出演。2021年、第29回太陽カンツォーネコンコルソ・クラシック部門第1位。2025年第4回K夢のある声楽コンクール 動画審査部門 優秀賞。

著書

『内向型人間が声と話し方でソンしない本』(青春出版社)ほか、心理学、言語学、発声、話し方、コミュニケーションに関する著書があります。

一緒に、声の魅力を引き出しましょう

あなたの今の声は、まだ本当の声ではないかもしれません。身体を楽器としてうまく鳴らし、響きを自由自在に操る技術を身につけたとき、あなたの本当の声が現れます。

バイオリンにもクラリネットにも正しい鳴らし方があるように、世界に一つしかないあなたの身体という楽器にも、鳴らし方があるのです。

大きな声を無理に出すのではなく、楽に響き、自然に届く声。相手にとって心地よく、自分自身にも気持ちいい声。

今まで気づいていなかった、あなたの声の魅力を一緒に引き出していきましょう。