オンラインレッスンの効果を最大限に高める方法

●レッスン効果を最大限に高める方法

最近、新型コロナウイルスの影響で、ZoomやSkypeといったツールを利用したオンライン講座が増えています。

講座が新設されているというより、従来の講座が続々とオンラインに対応しているのでしょう。

「声のサロン」や「ことば学講座」も同様です。

そこで今日は、Zoomでのリアルタイム双方向型のレッスンを例に挙げて、その効果を最大限に高める方法についてお話しします。

キーワードは「臨場感」です。


●会場にいる感覚にどこまで近づけるか

今、あなたは自宅(つまり本来のレッスン会場以外の場所)にいて、Zoomでつながってリアルタイムのオンラインレッスンを受けているとします。

このとき、会場に来てレッスンを受けているのと同じレベルの臨場感を持っていますか?

フェルマータ2階にいて、私との距離が1m、遠くても2m程度の場所で、声を聞いたり動作を見たりしているのと同じ臨場感がありますか?

臨場感とは、文字通り「場に臨んでいる感覚」です。そこにいる感覚です。

同じパソコンやスマートフォンで表示されているとしても、YouTubeか何かで動画を楽しんでいるのと同じような感覚になってはいませんか?

単に「機械から情報を受け取っている点で同じ」になっているとしたら、レッスン効果は高まりません。

たとえば、同じテレビ画面で観ているとしても、東進ハイスクールの授業を受けているのと、自宅のテレビで好きなアニメ番組を観ているのとでは、違う意識のはずです。

まあ現実には、高校生たちの多くはサテライト授業を受けている時も、娯楽のテレビ番組を観ている時と近い感覚で、一方的かつ受動的に情報に触れているだけで、そのせいで効果が上がりにくいとの指摘もあります。

娯楽の動画視聴と、トレーニングとしてのオンラインレッスンは、きっちり区別しましょう。

次回、あなたが「声のサロン」や「ことば学講座」をオンラインで受講するときは、どこまで「会場のレッスンを受けている感覚」になれるかどうかに挑戦してみてください。

実際には自宅などにいるわけですから、意識コントロールを要します。だからことば学講座でおこなっている瞑想トレーニングが役に立ちそうです。


●「つい頷いてしまう」のは臨場感

先日、こんな話をしていた方がいます。

「Zoomで映像を見ながらお話を聞いていると、つい頷いてしまうんです。変ですよね」

ちっとも変ではありませんよ。すばらしい状態です。

テレビ番組を観ている時とは異なる意識でレッスンを受けている証拠です。

つい頷いたり反応したりしてしまうとしたら、それは会場でレッスンを受けている、私が目の前で話しているのに近い臨場感をモノにしている、ということ。

ぜひその感覚で受け続けてください。

「マイクが入っていないのに、返事をしたことがある」と話していた方もいます。

今度、ことば学講座で「臨場感を高めるトレーニング」を取り上げますから、しっかりトレーニングして、オンラインレッスンの効果を最大限に高めましょう。

Zoomではありませんが、「メールやPDFファイルで文章を読んでいても、先生の声で再生されて聞こえます」と話していた方がいました。

すばらしいですね。通常の読書とレッスンとが区別されて、かなり違った意識状態で読んでいることになります。

Zoomだけでなく、録画された動画を視聴しながらのレッスン、PDFファイル等で資料を受け取って受けるレッスンなども、すべて「通常とは異なる臨場感」を獲得することによって、レッスン効果がぐんぐん高まります。

次回のオンラインレッスンで、意識してみてください。

「その場にいる感覚」です。

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歌うためのイタリア語入門……動詞の活用

●イタリア語の基礎の基礎をマスターしよう

イタリア古典歌曲やカンツォーネなど、イタリアの歌をより自然に、より深く歌えるように、イタリア語の基礎くらいは身につけましょう。

オンライン「声のサロン」レッスンでも解説しますが、このサイトに資料や音声レッスンを追加していきますから、しっかり復習しておいてくださいね。

今回は規則動詞の活用です。

●規則動詞3種類を覚えよう












イタリア語の名詞①~④


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オンラインレッスン実験、第1回をおこないました

●いろいろ確認できた実験でした

先ほど、「声のサロン」オンラインレッスン実験(Zoom)の第1回をおこないました。

ご協力くださった皆さん、ありがとうございました。

始まるかなり前から「待機室」に入って待っていてくれた方。

自宅でパソコンとスマートフォンの両方で繋いで違いを教えてくれた方。

近くにWi-Fi環境がなくて仕事帰りにフェルマータに駆けつけて1階で受けてくれた方。

ここしばらく会場のレッスンに来られなかったけれど、オンラインで久々に声を聞かせてくれた方。

会社帰りに移動しながら参加しようとしたけれど、落ち着いた場所でないと参加しにくかったと報告してくれた方。

途中で乱入してきて、いつの間にかいなくなっていた店長。

みなさんそれぞれに活躍してくださり、いろいろと確認でき、発見もあり、たいへん有意義な時間となりました。

マイクをオンにして「しゃべってみてください」とお願いしたら、初めてのことに「どのくらいの声量で話せばいいかわからず戸惑った」と後から報告してくれた方もいました。

そうですね。私もまずそこからがテストでした。「このくらいの感じでしゃべって、聞こえているのか、足りないのか、うるさいのか」わからないんですよね。

土曜日はまた別のマイクを使うなどして実験する予定です(注文したマイクが届けば)。

●Zoomのメリットを実感

Zoomを使ったリアルタイムのレッスン、録音を聴いていただく音声レッスン、PDFファイルやメールによる文書のレッスンといった一連のオンラインレッスン実験は、「声のサロン」のみならず、会員の現在および今後に活かせるように、一種の「実験台」という意味合いがあります。

発声レッスンですから直接会えるのが一番ではありますが、こんな状況でもオンラインで何かしらできる、その方法を知っている、というのは強みになりそうですね。

先ほども、「風邪ぎみの今でも、うつしてしまう気兼ねをせずに参加できるのが好都合」というメールをいただきました。

さっそく自分自身の講座で「動画配信」や「遠隔レッスン」を検討し始めた方々もいます。

「チャットの機能がすごく役立ちましたね」には、心底同感です。

参加者が「発言」できるのも、Zoomならではの機能と言えそうです。全員のマイクをミュート解除にしてしまうと、自動的に次々にカメラが切り替わってしまうので混乱しましたが、私から「○○さんどうぞ」と指名してミュート解除して話していただけば、何かの発表(ミニ発声講座など)もしていただけそう。

実は、私がひたすら一方的に話し続けるだけなら、インターネット環境さえあればわりと簡単にできるのです。

InstagramやLINEでもライブ配信のようなことができるらしいし、あらかじめ撮影した動画をYouTubeで見せることもできる。以前のウクレレ動画のようなやり方ですね。

しかし、リアルタイムでつながっている参加者みんなが音声で話せるツールというのは、そう多くないようです。

誰に聞いても候補としてSkypeとZoomがパッと挙がるというのは、つまり選択肢がそんなに多くない、ということなのでしょう。

一対一での、対面でのレッスンに近いこともできるわけです。可能性が広がりますね。

●オンラインレッスンなら全国へ配信も

ほかに、おもしろい感想として、「普段のレッスンでは正面から先生を見ていないけれど、画面の中ではずっと正面なので、見やすい」というコメントがありました。

確かに普段あのアングルでレッスンを受けているのは、正面に座っている二人くらいに限られますね。

私としては、マイクやカメラから外れないために、動き回れない不自由を感じていましたが、そこにメリットを感じる見方もあるわけですね。さすがです。

事務局のほうに、会社の福利厚生にオンラインの発声レッスンを入れさせてほしいとのお問合せもありました。

確かに、新潟市まで足を運べない地域や状況でも、ネット環境さえあれば受講できるとなれば、日本全国どこにいらしてもレッスンができるんですよね。

日本全国どころか、外国でも大丈夫。

そのうち演奏家がイタリアやドイツに留学しなくなるんじゃないかと、チラッと思いました。

ネットのデータ量で生の音をどこまで再現できるかにかかっているでしょうけれど、駅前留学ならぬ自宅留学が主流なんて時代が来るのかもしれません。

また土曜日(4月4日)に、第2回のオンラインレッスン実験をおこないます。

●滝廉太郎『花』

滝廉太郎『花』のウクレレ弾き歌い用楽譜(コード付き)です。

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朗読トレーニングで脳を鍛えよう

5~7mくらい離れた場所にターゲットを設定して、「メロスは激怒した。必ず──」と読み続けられますか?

あるいは、「一文一息」(息継ぎなし)で読めますか?

といったことを意識し始めると、完璧に覚えられたつもりだった一節が、急に怪しくなるかもしれません。

「車の運転をしながら朗読の練習をしていると、道を間違える」と話していた方もいます。

私たちの脳は、ここまでマルチタスク(並行処理)が苦手なんですね。

これはもう、脳の仕組みがシングルタスク用にできているので、しょうがない。

向き不向き、適材適所、得手不得手といったところで、脳にマルチタスクをさせようとするのは、飛行機に乗らずに電車に乗って「なぜ飛べない?」「がんばれば飛べる」と言っているようなもの。

ただ、脳の仕組みをさらに詳しく知って活用すると、トレーニングによって「一見マルチタスク的な処理」ができるようになる。

喩えるなら、ローカル線の各駅停車が、新幹線になるようなものでしょうか。

言葉で説明するなら、「自動化できるほど熟練したタスクは潜在意識に渡してしまう」ことによって、複雑なタスクが処理できるようになります。

朗読でいえば、「喉あけ」をしようとした途端に「呼吸」が浅くなったり、「間違えないように読む」ことを意識した途端に「ターゲットまでの距離感」がなくなったりするのはむしろ当たり前。

複数のことを同時に意識し続けるのは、脳は苦手というより無理だからです。

しかし、「意識しなくても喉があいている状態」までトレーニングすれば、呼吸を意識するだけで「喉あけと呼吸が両立した状態」になる。

さらにトレーニングを重ねて、「意識しなくても深い呼吸ができる」段階まで進めば、声のターゲットを意識するだけで、「喉あけと呼吸とターゲットがうまくいっている状態」になる。

これが「トレーニングによる熟練」です。

こうして熟練していくトレーニングを重ねていくと、脳の質が変化して、脳の機能が高まると言われています。

実は朗読は、脳の機能を高めるトレーニングに最適なんです。

運動や言語や視覚や聴覚や感情などさまざまな脳の部位をフル活用しつつ、それぞれの要素をトレーニングによって自動化できる、つまり潜在意識に渡してしまえるのが、「ちょうどいい」加減なんですね。

車の運転のように、刻一刻と変化する外界の状況に対応するなど自動化できないタスクが含まれると、潜在意識に渡せずに常にモニターし続けなければならないので、脳に負担がかかって疲弊しやすい。

だから車の運転は時々休憩を入れたほうがいい。飛行機や電車の運転でも連続何時間以上の操縦は禁止と規則に定めているのは、それだけ脳を疲れさせる作業だからです。

脳も体も、良い鍛え方ならいくらでも強くなりますが、よくない鍛え方をしてしまうと、疲弊しきって伸びなくなってしまう。

筋トレも、やり方を間違えるとかえって筋肉がやせ細っていくそうですね。

その点、朗読はありがたい。

朗読トレーニングに没頭すると、発声と話し方のトレーニングとして効果的であるだけでなく、脳そのものを鍛える効果が高いからです。

朗読トレーニングで脳を鍛えましょう。

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「Vieni sul mar」ステップ2

●語彙チェック

「Vieni sul mar」(海に来たれ)を「対訳を見ながら聴く」という最初のステップが終わったら、次はステップ2に進みます。

含まれる語彙を単語レベルで確認しましょう。

単語リストをPDFファイルにしたので、こちらからダウンロードしてご覧ください。

再び音源を聴きながら、「Deh, ti desta, fanciulla, la luna」を聞いて、

「dehは呼びかけか」
「destaはdestareで、目覚めさせる」
「fanciullaはお嬢さんへ呼びかけている」
「lunaで月が……」

こんなふうに確認していきます。

一通り確認できたら、単語リストを見ながら何回か聴いてみると、曲の感じと言葉が少しずつつながってきます。

「spande un raggio」と聞いて「放つ……光を……」とわかる。

「sì caro sul mar」と聞いて「とっても……美しい……海の上で……」とわかる。

そのくらいまで繰り返したら、ステップ2は終了です。

ステップ3は、最初の会場でのレッスンですね。

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古いナポリターナ「Vieni sul mar」を歌ってみよう

●「Vieni sul mar」(海に来たれ)

次の課題曲は、「Vieni sul mar」(海に来たれ)です。

3年半くらい前に一回取り組んだ課題曲ですね。今回はさらに高いレベルを目指してウクレレ弾き歌いしましょう。

とても古いナポリターナで、「好きな人を誘う」という定番のテーマを歌った曲です。

古すぎて、作詞者も作曲者もわかっていません。

名曲サンタ・ルチアと同じように、ゆったりとした海の波をイメージすると、感じが出ます。

まずは下の音源を聴いて、歌の感じをあらめてつかみましょう。

こちらの音源を聴きながら、歌詞の対訳を見て、歌の内容を把握しましょう。



●Vieni sul mar ウクレレ弾き歌い用楽譜&歌詞&単語リスト







●venire(来る)の活用






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今日のウクレレ教室(新潟市、声のサロン)

●一音一音を良い音で

ウクレレ検定10級の練習、していますか?

慣れてきたら、「一音一音を良い音で鳴らす」ことを意識しながら弾いてみてください。

ウクレレは弦が短くボディーも小さな楽器なので、「良い音」で鳴らすのがなかなか難しいですね。

だからこそ、奥が深くておもしろい。

楽器が小さいせいにしないで、「この楽器で鳴らせる最高の音を出す」という気持ちで、丁寧に練習していきましょう。

特に、1弦で弾いているメロディーの音をよく聞きながら、弾く。

ただ動きだけを覚えて無造作に弾くのではなく、「聞きながら弾く」だけで音が変わります。

「あ、今の音、イイ!」という音が出たら、その音だけ繰り返してみるのも効果的です。

指のちょっとした使い方で、出る音が変わりますよ。

今日のウクレレ教室でした。

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ウクレレ入門検定10級その2

●ウクレレの運指はこんな感じ

ウクレレ入門検定10級の練習、していますか?

運指(指使い)で迷っている方がいるかもしれないので、メロディー(1弦)だけ指を書き込んでみました。

人……人差し指
中……中指
薬……薬指
小……小指

このとおりでなければダメ、というわけではありませんが、だいたいこんな感じの運指になっていれば、スムーズな動きになっていると思われます。

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