●時間を味方につけよう
成果は費やした歳月の積み重ねです。
「続けているだけで、ライバルが消える」って知っていますか?
仕事でも習い事でも、似たような時期に始めたり似た境遇だったり、実力が近かったりして、気になって仕方ない存在がいることがありますね。
たとえば空手道場に通い始めた小学生が、同じ門弟に2~3人、気になって仕方ないライバルをいつも意識していたとします。
「あいつにだけは負けたくない」
「あいつのほうが強くなったから悔しい」
「強いあいつが今回の試合に出るから不安」
という具合に。
ところが、10年も続けていると、どうなるか。
「気になって仕方ない連中」が、ほぼ全員いなくなっているはずです。
だから、最初から気にする必要などなかったんですよね。
「あいつは目の上のたん瘤だ」
「あいつさえいなければこの立場は私のものなのに」
「あいつのせいで私の影が薄れる」
のようなネガティブな意識が無意味なばかりか、
「あの人をライバルとして意識して、共に切磋琢磨していきたい」
と一見ポジティブな意識の仕方でさえ、「他人との比較」を引き起こし、「一点集中」が阻害されてしまう原因です。
そんなマイナス要因も、ただ単に長く続けているだけで、確実に解消します。
時間を味方につけられる人に、敵などいないのです。
●ある程度の「集中」を延々と「持続」
トレーニングで伸びるコツは、ある程度の「集中」を延々と「持続」。
どういうことか、分かりますか?
「集中と持続」が大事なことは、もうよろしいですね。
しかし、「ある程度の」と「延々と」が実は大事。
瞬間風速的に一瞬の「強烈な集中」を発揮するのは、難しくありません。
たとえば、メイフェアのパフェを強烈に気に入って、連日通う人も、わりといる。一日のうちに2回も食べたりして。
ただし、そんな「強烈な集中」はごく短期間で終わりを迎えます。長くても1ヶ月程度か。
もっとゆったりとした、週に1~2回くらい、あるいは月に2~3回のペースで、3年も4年も通い続けている人となると、ごくごく少数になる。
熱しやすい人は、冷めやすい。だから続かない。
ある程度の「集中」を延々と「持続」できるのは、熱しやすくなくても、なかなか冷めないタイプ。
あるいは、「冷めない工夫」ができるタイプです。
発声トレーニングだとしたら、「気が向いたらトレーニング」は冷める方針です。「気が向こうが向くまいが関係なくトレーニング」が冷めないタイプ。
「強烈な集中」ではなくても、当たり前のように、やる。
「温かさが延々と続く」感じでしょうか。
『走れメロス』を暗記しながら、「なかなか覚えられなくて大変」「○○さんなどはすぐに覚えてしまうのでしょうけれど」とメールをくれた方がいましたが、気にする必要はありませんよ。
人と比べてもプラスにならないから、その意識が消費するエネルギーがもったいない。
「なかなか覚えられない」としても、当たり前のように延々と続ける人が、最後には最も伸びるのですから。
ある程度の「集中」を延々と「持続」して、良い「積み重ね」をしていきましょう。
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新潟市で共鳴発声法の話し方レッスン
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メール:tenor.saito@gmail.com