言葉は「投げる」のではなく、「手渡す」


●言葉は投げずに手渡す

言葉は投げてはいけません。

「会話はキャッチボール」と言われますが、文字どおりキャッチボールをイメージして言葉を「投げる」と、発声が雑になります。

特に文末の処理(フレーズの切り方)が乱暴になりやすく、声がブツッとぶっきらぼうに切れてしまいます。

投げるのではなく「大切なものを手渡しする」イメージを持って話すと、文末の声が丸くやわらかくなり、好印象を与える話し方になります。

ボールをイメージに使うトレーニングがあるので、試しに一緒にやってみましょうか。

5mぐらい離れたところにいる店員さんに「すみません」と呼びかけるとき、手にしたボールを投げつけるイメージで「すみません!」と声を出してみてください。

いかがですか。相手がビクッとするような、強くて鋭い声が出たでしょう。

次に、同じ距離にいる相手に、手にしたボールを手渡すイメージをします。

「5m先の相手に手渡すって、どうやって?」

もっともな疑問ですね。つまり「腕を伸ばして」という意味です。イメージの中ですから、なんでもありです。腕がにゅ~っと伸びて相手のところまで届き、そこでボールを「はい」と手渡すイメージで、「すみません」と言います。

今度はいかがですか? 声量も十分でありながら、やわらかく心地よく、楽に受け取ってもらえそうな声になったでしょう。

喫茶店で店員さんを呼ぶ場面で、なんだか妙に強い声が出て、まわりのテーブルの人たちに振り向かれやすいなら、こんな簡単なイメージテクニックだけで、発声を改善することができます。

近距離でも遠距離でも使えるテクニックです。もちろん発声は技術ですから何度も練習をしないと安定しません。

狙った距離に良い声を届ける練習をたっぷりしておいて、本番に備えましょう。

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新潟市で共鳴発声法の話し方レッスン
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メール:tenor.saito@gmail.com
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