●どんなトレーニングをしたら話し声がよくなるか
話し声を改善したい方から、こんなご質問があります。
「自分の話し声が嫌いです。話し声を変えるのに役立つトレーニングを教えてください」
答えは、「共鳴発声法による朗読」です。
その他のトレーニングは、「共鳴発声法による朗読」トレーニングを支えるためのトレーニングといえます。
逆にいうと、話し声の改善がうまくいかないケースが多い原因は、この「共鳴発声法による朗読」トレーニングが成功していないから、と考えられます。
今日は2つのポイントからチェックしてみましょう。
・共鳴感覚が分かっているか
・共鳴発声法を崩さずに朗読できているか
この2点です。
●共鳴感覚が分かっているか
朗読の際、眉間のあたりから共鳴の響きを逃さないのが基本です。
しかし、逃がさない以前に、共鳴感覚が捉えられていないケースが多い。
共鳴感覚を捉えるトレーニングには、イタリア古典歌曲を使います。
比較的高めで、しかし高すぎない音域(上のレ、ミあたり)でピーンという響きを捉える練習をしましょう。
最初は「イ」母音が簡単です。
喉開けや縦開きや横隔膜のコントロールは、この良い響きを楽に捉えるために必要な要素です。
また、話し声なのに歌でトレーニングするのは、「しゃべりで共鳴を捉えて逃さない発声は、母音が短くて歌より難しい」からです。
かといって、単に母音を「あ~~~」と伸ばすだけの練習では、シンプルすぎて話し声の繊細な変化とかけ離れているばかりか、退屈で長続きしません。
入り口は歌、そこから話し声へと移行しましょう。
歌そのものが楽しくなれば、しめたもの。もう良い話し声を手に入れたも同然です。
●共鳴発声法を崩さずに朗読できているか
次のポイントは、「共鳴発声法を崩さずに朗読できているか」です。
歌に比べて朗読(話し声)は、母音が伸びない分、粗が目立ちにくい。
だから、響きを逃して「ただ読むだけ」になっていても、自分では気づきにくいものです。
「親譲りの無鉄砲で──」(夏目漱石『坊っちゃん』)と朗読するとき、「むてっぽうで」の「ぽうで」あたりで響きを逃がしてしまっているのに、「むてっ」が力強く充実しているように感じると、それで満足してしまう。
共鳴感覚を常に意識して響きをキープし、有効なトレーニングをしましょう。
共鳴をちゃんと集めて捉えているかどうかは、レッスン(声のサロン)時に私が診断しますから、大丈夫です。
良い響きを捉えてキープできたときは、「今の声!」「イイ声!」「それ!」などと言いますから、そのときの感覚を体で覚えておいて、毎日の練習時に再現してください。
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新潟市で共鳴発声法の話し方レッスン
ウェブ:http://wsi-net.org/
メール:tenor.saito@gmail.com
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