●良い声で話せるかどうかは「習慣化」次第
良い声で話す共鳴発声法をしっかりマスターするには、練習を習慣化することが大切です。
たとえば、朝起きたら声を出す。
車の運転中に、声を出す。
電車の待ち時間に、声を出す。
自分の生活パターンに合わせたタイミングに、いつでもいいので、発声トレーニングを習慣化してしまいましょう。
習慣とは、つまり「考えなくても、がんばらなくても、当たり前のようにする状態」です。
歯磨きをするときに、いちいち理由や目的を考えませんよね。「虫歯にならないように、今日もしっかり歯磨きをするぞ」と考えながら歯ブラシを手にする人は少ないでしょう。
もし歯磨きの最中に誰かから「どうして歯磨きなんてするの?」と聞かれたら、「えっ?」と一瞬詰まるはず。理由など要らない習慣になっているから。
発声も習慣化しましょう。
すると、出る声や出しているときの感覚によって、その日のコンディションが分かるようになってきます。
「声がかすれる。声帯が少し腫れぼったいかな」
「昨日教わった共鳴の感覚が、やっと分かった気がする」
「声に伸びがない。喉が詰まっている感じ」
こんなふうに、体が「良い声、良くない声」をちゃんと教えてくれます。
毎日の習慣だから、分かるのです。週1回の練習では、こうはいきません。
今、朗読の練習を毎日していますか?
忙しかったら一日10分でもいいので、毎日「声と向き合う」時間を確保してみてください。
●体を鳴らそう
共鳴を集めて発声のポジションを高めて朗読をすると、「体が楽器のように鳴る」感覚がやがて分かります。
最初は高アクセント(高めの声)でピーンという感覚として感じられるはず。
その状態をできるだけキープして歌ったり朗読をしたりする練習を続けると、あなたの体が「鳴りやすい楽器」に育ってきます。
ただし、注意点があります。
「ピーンの感覚を出す」ことだけにこだわると、口の中をゆがめたり力ませたりして、「とりあえずピーン」を無理やり作ろうとしてしまいます。
これは良くないんです。
自分で聞いて分かりますよね。声の色が良くない。無理やりピーンを出そうとすると、やけに硬質な音になったり、母音が歪んで発語が不明瞭になったりする。
あくまでも「発声の基本」を守りながら出したピーンが本物です。
次回のレッスン日まで、たっぷり練習をしましょう。
* * *
新潟市で会話のレッスン
ウェブ:http://wsi-net.org/
メール:tenor.saito@gmail.com
子供向けの話し方教室についてはこちら