ウクレレとギターのチューニング(弾き歌い)

●チューニングはできるようになりましたか?

ウクレレかギターを手に入れて弾き歌いへの挑戦を始めたあなた、楽器のチューニングはできるようになりましたか?

今は電子チューナーという便利なものがありますが、チューナー無しでもチューニングができるようになったほうがいいですよ。

その理由について今日はお話しします。

これだけ電子チューナーが普及し、プロの演奏家がステージで使っている(楽器にくっつけたまま演奏している)シーンすら目にする今、チューナーの使用について口やかましく言う指導者がだんだん減ってきているのは確かでしょう。

しかしそれでも、従来のような「耳でのチューニング」を支持する指導者は多くいて、語る理由もいちいち納得できるものばかりです。

まず、アコースティックな(電気を使わない)楽器を演奏するのに、電気の助けがないとチューニングできない、という状態に抵抗感や疑問のある方は多いようです。

ある先生は、お弟子さんの発表会のエピソードを話してくれました。ステージに出てから調律がおかしいのに気づいたお弟子さんが、チューナーがないとチューニングができないので、ステージから下がって先生に「お願いします」と楽器を手渡したのだそうです。

普段、電子チューナーの使用について特にコメントしたことのなかった先生は、その日から「チューナー無しでのチューニング」の練習を全員にさせたといいます。

また、別の生徒さんは、発表会などの特別なシーンではありませんが、普段の練習時にチューナーの電池切れのせいでチューニングができなくなって、「こんなちっぽけな道具一個のせいで、楽器が弾けなくなるとは」とショックを受けたという。

さらに別の生徒さんは、レッスン日に「チューナーを忘れた」と先生に伝えたら、「大丈夫、大丈夫」とピアノを鳴らしてくれたのに、ピアノの音を聞きながらのチューニングがまったくできなかったそうです。

いつもはチューナーの画面に表示される記号を便りにチューニングしているので、耳で音を聞いても音が合っているのかどうか判断できなかったというのです。

この状態について、「音を耳でなく目で判断する……それは音楽をやっていると言えますか?」と苦言を呈した指揮者もいました。

確かにそうだなあ、と私も思います。「A(ラ)というのは、チューナーを近づけたときにAと表示される音です」では、なんだか音楽っぽくない。

電子チューナーを使うべきではないなんて言いませんが、少なくとも、チューナー無しで「も」チューニングができるようになりましょう。

楽しい弾き歌いへの第一歩です。

なにより、チューナーを使わずにサクッとチューニングできる自分になったら、楽器を自由に扱っている感覚が強まって、楽しいではありませんか。


●1オクターブ間違えて弦を切るミス

具体的なチューニングの方法は、前回の記事でご紹介した教本に載っているので、ここでは省きます。

気をつけたいのは、1オクターブ間違えて音を高くしすぎて、弦を切ってしまうミス。

私もアコースティックギターでやったことがあります。音高を1オクターブ間違えるというのは、はっきり言ってショックで、軽く自信喪失しますが、撥弦楽器は勘違いしやすい気がします(と言い訳)。

バイオリンの調律で1オクターブ勘違いなんて絶対にしないのに、アコーディオンでも遠く離れたところにある音と認識できるのに、音の性質って不思議です。

実はウクレレでも、弦を張り替えたときに「ん、まだぜんぜん低い」とペグをぐいんぐいん巻き続け、弦のテンション(張りの強さ)が異常にピンピンになってきて、「とっくに正しい音を通りすぎていた」と気づいたことがありました。

このミスが起こりうるのは、弦の張り替えのときです。

①隣の弦を頼りにざっくり合わせる
②弦のテンションを手で確かめながら音を上げていく

この2つの工夫で「新品の弦をいきなり切る」悲しい事故は防げます。

特に①については、いつも弦が張ってあるときは掃除が行き届かない部分を張り替え時に徹底的に磨きたくなって、すべての弦を外して裸状態にしたくなりますが、面倒でも一本ずつ外して、もともと張ってある隣の弦を頼りに近い音まで合わせてから次の弦の交換に移っていけば、勘違いのしようがありません。


●長めに鳴らそう

もうひとつ、チューニングのコツをお伝えしますと、音は長めに伸ばしながら、よく聞きましょう。

たとえば、5フレットを押さえて、次の開放弦と合わせるとき、同時に、あるいは順に鳴らして、長く伸びている音を聞きながら合わせます。

2つの音をピン、ピン、ピンとせわしなく繰り返すのではなく、長く聞く。

出したそばから音量が小さくなっていく「減衰音」の楽器なので、「大きい音でしっかり聞きたい」とばかりにピンピンとやりたくなるのもわかりますが、伸びている音の響きや変化をよく聞きましょう。

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