オンライン声のサロンレッスン(2020年7月1回目)

●なぜ「上達が止まる」ことがあるのか

さあ、今月も肩甲骨をやわらかく使いながら、楽しくレッスンしましょう。

7月2日(木)は夕方5時から、4日(土)は夕方6時から、オンラインでおこないます。

喉に頼らずに声を出して話す感覚、わかってきましたか?

今回も丁寧かつ慎重にトレーニングしましょう。

ところで、この「丁寧かつ慎重に」は、ちゃんと上達できる「練習」のコツです。

今回のレッスンでは、「練習」で最大の成果を上げる方法についてお話しします。

「練習」は技術を身につけ、技量を高めるのに必要な活動です。しかし、がむしゃらに練習すれば成果が上がるわけではありません。

「練習したのに、前より下手になった」という相談メールが届いたことがあります。

本当は上達しているのに自分では下手になったと感じているケースもあれば、実際に練習の仕方がまずくて下手になっている(よくない癖がついてしまった)ケースも中にはあります。

それよりなにより、おそらく誰もが経験したことのある、不思議な事実があります。

それは、「上達し続ける人と、上達が止まる人がいる」。

今回はこの不思議について取り上げつつ、すでに何かで頭打ちを感じている方が現状を打破して次の段階へと進めるように、「正しい練習の仕方」を覚えていただきます。

声のサロンで取り組む発声や話し方やウクレレに限らず、仕事のスキル、職場での技能、スポーツや習い事など、上達し続けるにはポイントがあります。

どんな練習でも時間をかけさえすれば伸びていくかといえば、そうはいきません。

せっかく時間を費やすのだから、成果の上がる効果的な練習をしましょう。


●今月の課題曲(楽譜のPDFファイル)





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通る声、届く声の出し方の本
新潟市でウクレレ弾き語りの方法を習う教室

古いナポリターナ「Vieni sul mar」を歌ってみよう

●「Vieni sul mar」(海に来たれ)

次の課題曲は、「Vieni sul mar」(海に来たれ)です。

3年半くらい前に一回取り組んだ課題曲ですね。今回はさらに高いレベルを目指してウクレレ弾き歌いしましょう。

とても古いナポリターナで、「好きな人を誘う」という定番のテーマを歌った曲です。

古すぎて、作詞者も作曲者もわかっていません。

名曲サンタ・ルチアと同じように、ゆったりとした海の波をイメージすると、感じが出ます。

まずは下の音源を聴いて、歌の感じをあらめてつかみましょう。

こちらの音源を聴きながら、歌詞の対訳を見て、歌の内容を把握しましょう。



●Vieni sul mar ウクレレ弾き歌い用楽譜&歌詞&単語リスト







●venire(来る)の活用






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今日のウクレレ教室(新潟市、声のサロン)

●一音一音を良い音で

ウクレレ検定10級の練習、していますか?

慣れてきたら、「一音一音を良い音で鳴らす」ことを意識しながら弾いてみてください。

ウクレレは弦が短くボディーも小さな楽器なので、「良い音」で鳴らすのがなかなか難しいですね。

だからこそ、奥が深くておもしろい。

楽器が小さいせいにしないで、「この楽器で鳴らせる最高の音を出す」という気持ちで、丁寧に練習していきましょう。

特に、1弦で弾いているメロディーの音をよく聞きながら、弾く。

ただ動きだけを覚えて無造作に弾くのではなく、「聞きながら弾く」だけで音が変わります。

「あ、今の音、イイ!」という音が出たら、その音だけ繰り返してみるのも効果的です。

指のちょっとした使い方で、出る音が変わりますよ。

今日のウクレレ教室でした。

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ウクレレ入門検定10級その2

●ウクレレの運指はこんな感じ

ウクレレ入門検定10級の練習、していますか?

運指(指使い)で迷っている方がいるかもしれないので、メロディー(1弦)だけ指を書き込んでみました。

人……人差し指
中……中指
薬……薬指
小……小指

このとおりでなければダメ、というわけではありませんが、だいたいこんな感じの運指になっていれば、スムーズな動きになっていると思われます。

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クリスマスソングのウクレレ弾き歌い(ウクレレ教室)

●来月はクリスマスソング

来月はクリスマスソングのウクレレ弾き歌いを練習しましょう。

予習の課題を出しておきますから、軽く見ておいてください。

「Angels We Have Heard On High」(荒野の果てに)です。

まずはメロディーのみの単音の楽譜を作ったので、メロディーだけを取れるかどうか、試してみてください。

「Glo – – – – ria」のところがたいへん印象的な歌ですね。

このように一つの母音を複数の音符にわたって歌っていく形を「メリスマ」といって、古い宗教音楽によく見られます。

「メリスマ」という言葉はグレゴリオ聖歌で一般に使われますが、古典歌曲や民族音楽でも同じ形式は用いられています。日本の詩吟もそうですね。

歌っていて、すごく気持ちいいんですよね。歌詞を気にせず、発声だけを純粋に味わえる。

おっと、気持ちよ~く味わえるようになる前に、まずはメロディーをウクレレで確認ですね。

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ウクレレ弾き歌いが仕事や人間関係に役立つ理由

●人前で話すのが難しいのはなぜか

人前での発声・話し方トレーニングとして、ウクレレ弾き歌いのトレーニングが有効です。

「人前で話す」場面──挨拶、スピーチ、プレゼンテーション、会議での発言、司会など──での話し方やパフォーマンスの品質を高めたい方には、全員にウクレレ弾き歌いトレーニングをオススメしています。

人前で話すとき、声や表情やジェスチャーといった、内容以外の要素もたいへん重要な役割を果たしているため、すべての要素に意識を向けてはいられません。

だから「声への意識」が減って「うわずった、生っぽい声」になってしまったり、質問を受けたときに「厳しい表情」になってしまったりと、全体のコントロールが難しいのです。

「人前で話す機会があれば認知症にならない」とまで言われるくらい、「話す」(聞く)行為は実は複雑で奥が深く、脳をたっぷり使います。

そのため、「意識を向けなくても適切な動作ができる」部分を増やしていく必要があります。

車の運転を考えると、わかりやすいでしょう。

しかし、ウクレレ弾き歌いはそれだけでなく、「仕事」「人間関係」に広く役立つトレーニングになる理由があるのです。


●仕事や人間関係に役立つ技術や思考パターン

ウクレレ弾き歌いによって鍛えられる、あるいは再確認される、「仕事や人間関係に役立つ技術や思考パターン」をいくつか挙げてみます。

【論理的思考】

たとえばウクレレの運指(指使い)やコードの押さえ方を、ただ丸暗記して再現するのと、「こうだから、この指」「次はこのコードだからこの指を先に移動」のように論理的に解釈しながら練習するのとでは、成果に大きな差がつきます。

ウクレレに限らずすべての楽器がそうだとは思いますが、ウクレレはシンプルだから、トレーニングとしてわかりやすい。

難しすぎると、「小学生が背伸びして大学の数学をがんばる」みたいなもので、良いトレーニングにならないんですよね。

「わかる」感覚を維持しながらトレーニングを進めるのが最適なので、ウクレレはたいへん適しています。

【場との調和】

出す声や音は、場に影響を与えます。

会場と調和する声を出すと、あなたの話は聞く耳を持ってもらえます。

だから、良い話し方をするには、「共鳴」を体で感じ取る能力を高めていきたい。

ウクレレは、共鳴のための箱が体に接していて、しかも振動する弦を直接指で弾くので、「響き」に対して敏感になります。

響きに敏感になり、場との調和が高まると、職場でもカフェでも、居心地がよくなるはずです。

【身体機能の向上・維持】

年齢を重ねるにつれて、身体機能の向上や維持が大事なテーマとなります。

筋トレやストレッチなど、体の機能を高めたり維持したりする活動を習慣にすれば、何歳になっても快適に生活することができるでしょう。

ウクレレ自体は、心肺機能が高まるほどの運動量はありませんが、「考え方」として「体を鍛えることの重要性」を強化することができます。

たとえば、あるコードを押さえようとして、指がうまく動かないとき、現状をベースに考えて「私には無理」「ウクレレは向いてない」と解釈してしまうと、現状から「向上」「成長」することはありません。

日に日に衰えていきます。

「このコードを押さえるには、中指と薬指の間が開けばいいのか」とわかったら、頻繁にその形を押さえるトレーニングをしたり、ウクレレがなくても指で形だけ作ってストレッチをしたりして、「自分を変えていく」努力をする。

ピアニストなら誰でも、指のストレッチをかなりハードにおこなった経験があるでしょう。

「向き不向き」を考えるのではなく、「自分を変える」という姿勢を強化すると、人生を豊かにしてくれるはずです。

身体機能の向上・維持には、「トレーニングによって自分を変える」感覚が大切です。

【うまくいかないときの思考パターン】

生きていれば、うまくいかない、思うようにならない、ままならないことはたくさんあるでしょう。

今後も必ず出てきます。

そんなとき、何かがうまくいかないときに、どう考えて対処するか。

この「思考パターン」によって、ストレスが軽くもなれば、延々と長く繰り返されもします。

たとえば、複数の弦をまとめて押さえる「セーハ」がうまく鳴らないとき、「人差し指と親指で挟む力が弱い」と考えて、力任せにひたすらグイグイ押さえたら、仮にうまくいったとしても、疲れ果ててしまいます。

発声レッスンでいつもお話しするように、「楽にできればできるほど上手」なのです。

だから、方針として「パワーで乗り切る」ではなく「工夫する」「方法を考える」ようになると、上手になります。

手の角度を変えたり、押さえる指の位置を調整したり、肩や首の力を抜いたり、力を入れるタイミングを工夫したりして、最も力が要らない楽な方法でクリアしようとする思考パターンを育てると、仕事でも人間関係でも同じように対処できるようになるでしょう。

部下が指示通りに動いてくれないとき、「力任せにひたすらグイグイ押さえる」方針の人は、強い声や言葉で無理やり部下を動かそうとするかもしれません。

しかし、「できるだけ力を使わないで成功する方法」を模索する思考パターンが当たり前になっていれば、部下が自分から気持ちよく動いてくれる方法を考えようとするでしょう。

発声やウクレレって、素敵なことを教えてくれますね。

※声のサロンは、良い声で話せるようになる
 ボイストレーニング話し方教室(新潟市)です。
 日本発声協会が認定する話し方発声法の基本、
 共鳴発声法が学べます。
 平日コースと週末コースがあり、フェルマータを会場に
 月2回ずつ開催されています。

 新規に受講をご希望の方は、事務局(メイフェア)まで
 お電話(025-211-7007)ください。

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子供向けの話し方教室、新潟校と東京校
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弦楽器と爪の長さ

●ウクレレもギターも左手の爪は短く

先日、「声のサロン」のレッスン時に「左手の爪が長いと、弦がうまく押さえられない」という話をしました。

すると、直後に「爪を切って復習しています」と連絡があって、すごいなあと感心しました。

爪のお洒落をなさっている方にとっては、ある意味「楽器のためにお洒落を犠牲にする」わけですから。

プロの演奏家なら「そんなの当たり前」と一蹴するかもしれませんが、私としては美しく整ったネイルを見ると「ざっくりカット」と言うのに忍びないので、原則を伝えはしても、あとはご本人に任せることにしています。

とはいえ、ギターやウクレレ、バイオリンといった「弦を指で直接押さえるタイプの弦楽器」を弾く場合、弦を押さえる指の爪が長いのはプラスになりません。

「演奏を困難にする要素」にしかならないのです。

なのに、お洒落その他の理由で、「最適な状態」にするのを躊躇する人もいます。

実は私も、中学生の頃に右手の小指の爪を伸ばして、バイオリンの先生に咎められました。弦を押さえるのは左手なので、右手の小指なんて影響はないのですが、無意味に伸びた爪が先生に不快だったのでしょう。

「なんだその爪は。何に便利なんだ? 切ってこい」と言われ、次のレッスン日には短くしていましたが、切ることに何の抵抗もなかったとはいえ、「ダメなのかあ」とちょっぴり寂しかったものです。

それだけに、あっさり爪を切ったと聞いて、「この方は必ずうまくなる」と確信しました。

ちなみに、私の左手を撮影してみると、こんな感じです。

手のひら側から見ると、爪がまったく見えませんね。肉のみ。

爪の先は、指先から1~2mm短くなっています。「爪の先の白い部分がない切り方」と言えばわかりやすいでしょうか。白とピンク色の境界線で爪を切ります。

「深爪じゃないんですか? 痛くないですか」と聞かれたこともありますが、左手は子どもの頃からずっとこうなので、慣れてしまいました。伸びた状態が落ち着かない。

ここまでざっくりいかなくてもいいと思いますが、弦を押さえたときに「肉と爪の間に弦が入ってしまう」「指を立てると爪だけが指板に当たって肉が届かない」ようなら、そうならないように爪の長さを調節するといいでしょう。


●右手の爪はお好みで

ギターやウクレレなどの弦楽器では、弦を押さえる左手の爪は短くする必要がある一方、弦をはじく右手は「お好み」でいいと思います。

爪が少しあると、パリッとした明瞭な音が出ます。

指頭奏法といって肉部分のみを使う弾き方もあって、やわらかくて優しい音が出ます。リュート奏者も「爪ではなく指で弾きますね」と教えてくれました。

クラシックのギタリストが100人いれば100通りの爪の長さや形や手入れの仕方があるようなものですから、唯一の正解なんて無いのでしょうね。

お好みでいろいろ試してみたらいかがでしょうか。

私はというと、理想的な長さを模索して伸ばしたとしても、どうせすぐに長くなってしまうし、毎日のように熱心に手入れをしてベストを保とうとしても、割れたり欠けたりしたらガッカリするでしょうから(というより途端に弾きにくくなる)、右手の爪も「ほとんどない」状態で弾いています。

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