上質な発声と話し方を目指して丁寧にトレーニングしよう

●声の好み、話し方に対する基準が変わってきた

『内向型人間が声と話し方でソンしない本』(青春出版社)が出てから、「これから発声、話し方をトレーニングしたい」という方からの問い合わせが何件かありました。

まだ数件ではありますが、声や話し方に意識を向ける人はそもそも少数派なので、一人でも多くの方の「良いものを目指す」お手伝いができるのはうれしいことです。

トレーニングを始める方に、これから生じるであろう変化に対して心構えを持っていただくために、今日は入門者向けレッスンをしましょう。

発声トレーニングを始めた方からよく聞く言葉があります。

「声の好みが変わった」
「これが良い声、という感覚が以前とはぜんぜん違う」
「昔憧れていたような話し方に、憧れなくなった」

なるほど、そのような変化が自分に生じたとしたら、良いトレーニングを重ねていると自信を持ってください。

なぜなら、以前は持っていなかった「声に関する基準」「話し方に関する基準」が自分の中にできた証拠だからです。

「何もわからない段階での自分感覚」から、「わかっている人の基準」へと変わったと言ってもいい。

こんな「変化の報告」もあります。

「大声が出せる人に対して劣等感があったのか、大声で話されると無条件に良い声と感じていた」と言っていた人が、しばらく経つと「声の質が聞き分けられるようになったのか、大声に萎縮しないようになった」。

「オバサン的なこなれた感じというか、崩して近づくような物怖じしないしゃべり方を聞くと、自分にはできないからか話し上手に感じていた」と言っていた人が、「やっぱり大人の距離感がある女性のほうが上品で好き」。

「上司や同僚の男性(おじさんたち)にちやほやされやすい同僚に妬ましい気持ちがあった」と言っていた人が、「ちやほやされるのではなく、品のある話し方を目指したいと思うようになった」。

「かすれ気味のハスキーボイスで話す女性に憧れて真似していた」という人が、「ピーンと通る声できちんと話したいと思うようになった」。

すばらしい。

いずれも良い方向への変化です。

声、話し方に関して、上質な基準を育てていきましょう。


●「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」とは

何かを高度に身につけたいときに、肝に銘じたい言葉があります。

「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」という言葉です。

別の言葉で言い換えるなら、「原理原則に従う」重要性を説いているといえるでしょう。

「歴史に学ぶ」とは、つまり個人のレベルを離れ、世代と空間を超え、何世代もの時を重ねて得られてきた知見、すなわち原理原則を知り、安定感のある質の高いトレーニング(学び方)をする、ということ。

子どもの頃レコードがすり減るまで聴いたハイフェッツ

ヴァイオリンが弾けるようになりたいなら、ヴァイオリンの先生に師事して、弾き方の基本から、「これが良い音」「これが良い演奏」という感覚も教わる必要がある。

「経験に学ぶ」とは、すなわち「個人的な感覚」です。

言い換えれば「私が良いと思うもの」。

だから、浅い。

習う前は、たいてい「個人的な感覚」で「好き嫌い」や「良し悪し」を判断しています。基準が自分の中にできていないので、そうする以外にないからです。

ヴァイオリンを習い始めてしばらくすると、耳が育ち、音への感性が育ってくるので、今までわからなかった違いが聞き取れるようになり、質の高い音を「好き」「良い」と感じるようになる。

発声も話し方も、同じです。


●「結局は自分感覚」に陥らないために

発声、話し方、文章など、言葉は人そのものともいえる。

だから、こうしてトレーニングをするあなたは、ぜひ「上質」を目指してほしい。

かつてはテレビの中や身近なところに「あんな声で話したい」「あんなふうに話したい」というモデルを見つけて、目指したり憧れたりしたかもしれません。

しかし、本格的にトレーニングを始めたら、いつまでも「あの人みたいに」では寂しい。

「自分感覚で誰かをお手本にしてしまうと、伸びなくなる」ということです。

お手本としてよく勧められたベニヤミーノ・ジーリ

かつて、声楽家のたまごたちが「今売れている××の歌は聴いてはダメ。〇〇の歌を聴きなさい」などと師から指示されたのは、「聴くだけで影響を受けるから」です。そうなると、手軽にYouTubeなどでいろいろな音声が聴ける現代は、リスキーでもある、ということですね。

「どこをどう聴けばいいか」の基準がしっかりできていれば、いたずらにマイナス影響を受けずに聴けるが、まだ基準ができていないうちに「売れているから良いに違いない」「ウケがいいあの歌い方を真似をしよう」になったら、それはトレーニングではなく、「結局は自分感覚」に陥ってしまう。

「YouTubeなどであれこれ聴いて持論があるような人は、自分の感覚にこだわるから指導しにくい」「教えても、次回のレッスンまでにいろいろ聴いて基準がおかしくなる人が最近多い」といった話を、音楽教室の先生がたから時々聞きます。

これは本当にそのとおりで、同情を禁じえません。「混ぜるな危険」の愚を犯すことにもつながります。いろんな基準を混ぜてしまうと、最終的に到達できるレベルが低くなってしまう。

発声器官は一人一人違います。あなたの楽器で最高の演奏をするのが、最も良い声です。

ピアノがヴァイオリンに憧れてもしょうがない。逆もそうですね。ヴァイオリンがピアノになりたがってもしょうがない。

周囲を気にせず、ほんの一時の流行を追わず、発声「技術」を高めることにこだわりましょう。


●「きちんとした丁寧さ」で一目置かれる発話

声だけでなく、話し方も文章もそう。

話し方を学ぶ方に、「とにかく丁寧に、きちんと話す癖をつけましょう」とよく言います。

「敬語を使わないほうが距離が縮まる」とばかりに、なれなれしく距離を縮めるのがうまい人もいますが、あなたにはぜひとも、品のある大人の距離感で話す「訓練された話し方」を身につけてほしい。

年齢とともに崩れやすいのも、話し方です。先ほど「物怖じしない」という言葉を引用しましたが、年とともに怖いもの知らずになって、話し方に「きちんと感」がなくなっていくことがある。

「夜のご商売の方みたいな話し方」と形容していた専門家もいます。よくわかります。オジサンウケが良いけれど、ちょっと離れてみると、品に欠ける。「一見丁寧な感じも受けるが、内面的になれなれしい」という感じか。

最近は「あざとい」という言葉が開き直りと共に用いられるケースがあるようですが、意味合いが似ているかもしれませんね。

「丁寧できちんとしているように振る舞い、しかしほんの少しだけ抜けたところを見せて、それがウケがいいと本人がわかってやっている様子」を「あざとい」というのでしょう。

「本人が実はわかっていながら、バレてないと思ってやっている」ことが相手や周囲にバレたら、すごく恥ずかしくていたたまれないのが、よき「恥じらい」だったはずですよね。

それを「あざとくて、何が悪いの?」と開き直ったら、もう目も当てられない。

そういう雰囲気は、丁寧なトレーニングで到達する境地とは違うし、もちろん私もそんな指導はしていません。

「きちんとした丁寧さ」で一目置かれる発話を目指しましょう。

「きちんとした丁寧さ」──大事なキーワードです。

先日も「文章の書き方」レッスンの中で、「冷めた目でツッコミを入れる人を想定」というポイントを取り上げたのですが、この想定の手加減によって「上質な文章」にもなれば、「一般ウケはしても、少々品がない文章」にもなります。

前者は「わかる人をクスッとさせる文章」、後者は「わっかる~。チョーウケるんだけど」と手を叩かれている感じでしょうか。

ともすると、強い反応を求めて、やりすぎてしまうんですよね。

しかし、「入れるといい」と言われても、控えめに控えめに使うのが、良い文章のコツです。

スパイスと同じで、入れすぎるくらいなら、入れないほうがマシ。

こういった精妙な加減は、ひたすら繰り返す練習で身につけていきます。周囲の人たちを眺めながら「あの人は上手、あの人は下手」とやっていても、質のいいトレーニングになりません。

ここで言葉のトレーニングをする方には、「大人の距離感を感じさせるような上質さ」を目指して、丁寧に技術を高めていただきたいと切に願っています。

そのためには、「年々徹底」ですね。日に日に、年々、意識を高めてトレーニングできているかな、といつも気にして、姿勢を磨いていきましょう。

ストイックなまでの姿勢になると、毎日のトレーニングが最高に気持ちよくなります。

そういう本気の方を丁寧に指導するのが、私の生き甲斐です。

* * *

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メール:tenor.saito@gmail.com
通る声、届く声の出し方の本
新潟市でウクレレ弾き語りを使った社会人向け発声話し方スクール


ウクレレ弾き歌いで「Joy to the World」(もろびとこぞりて)

●クリスマスソングをウクレレ弾き歌い

ウクレレでクリスマスソングを弾き歌いしてみましょう。

今回は「Joy to the World」(もろびとこぞりて)です。

楽譜を用意したので、こちらからダウンロードしてください。



Joy to the World(もろびとこぞりて)
讃美歌112番

Joy to the World! The Lord is come:
Let earth receive her King,
Let every heart prepare Him room,
And heaven and nature sing,
And heaven and nature sing,
And heaven, and heaven,
and nature sing.


世界に喜びが満ちる 主は来ませり
主をこの地に迎えよ
みな心に神を抱くのだ
天も地もみな歌う
天も地もみな歌う
天も地も
みな歌う




『変な音』(夏目漱石)



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【文章の書き方】なぜ文章のパワーをモノにしたいのか

●文章の真のパワーをモノにしないともったいない

新潟市でずっと「文章の書き方講座」をおこなっていますが、現在はオンラインで実施しています。

ご自宅でじっくり受講なさってください。

次回は2020年11月28日(土)です。


【オンライン文章講座】(秋の講座)

日時:2020年11月28日(土)15:00~20:00頃
料金:10,000円(税込)
会場:自宅でオンライン受講
講師:齋藤匡章(言語戦略研究所)
内容:人を動かす文章の書き方
文章力は、一生にわたって役に立つ技能です。誰でもタダで平等に使える「言葉」という道具ですが、だからこそ一人一人の言葉の力によって差がつきます。仕事で言葉を使う場面が多い方は、この講座で言語能力を高めて、周囲のみなさまのお役に立ってあげてください。

※お申込みは https://fermata-cafe.com/fer/lesson/seasonal/ からどうぞ

文章もしゃべりも歌も、道具は「言葉」であり、この道具を使いこなすには「練習」が要ります。

料理に使う包丁だって、事務作業に使うパソコンだって、道具はみんな練習でうまくなりますよね。

逆にいうと、「練習をしても上達しない人」はいません。もちろん「適切な練習」という条件付きではありますが……。

心理言語学というマニアックな学問の視点から、あなたに「文章の力」を身につけてほしい、文章力を身につけないとあまりにもったいない理由があります。

それは「言葉には、仕入れも設備投資も要らない」という、おそらくほかにはない強烈な優位性があるからです。


●「仕入れも設備投資も要らない」がなぜ強烈か

「いつか自分で仕事をしたい」という方は大勢います。「好きなことをして食べていきたい」という夢ですね。

ところが、そう甘くない現実も知っている。なにしろ、スタートするのがそもそも難しい。

知識や技術や勇気だけでなく、お金も要る。

あなたがもし、何か商品やサービスを提供しようと思ったら、なんらかの仕入れや設備投資が必要となるでしょう。

これがかなりの額になるわけです。

食べ物を売るには、食材を仕入れる必要がある。陶器を焼いて売るにも、粘土を仕入れる必要がある。

100円を手にするために、30円や50円を先に払わなければならない。しかもその30円なり50円なりが、ちゃんと100円になる保証はない。売れなければ、ゼロ。

シビアですね。

それだけではありません。飲食店を始めるには小規模でも数百万円の機器が要るし、陶器を焼く窯も、電気式の機械で安く抑えたとしても100万円近く。しかも業務用ではないから負荷がかかるとすぐに故障して余計に高くつく。

美容室は仕入れが少ないほうだと聞きましたが、それでも開業時の設備投資は機械設備だけで数百万円。

建物から建てたら数千万円です。テナントに入っても内装工事に数百万円はかかる。

スタートするだけで、ですよ。

オフィス用に物件を借りるとしたら、ただ契約するだけで数十~数百万円が必要です。

商売って、そういうものですよね。

自分で開業すると、そんなシビアな現実に直面することになりますが、会社に雇われて給料をもらっている人が「自分で仕事を始めたい」と思った時、そのあたりの認識が甘くなりがちなのでは、と感じています。


●「能力さえあれば好きに使っていい」という特殊

あなたはもう、「そう甘くない」と知っているかもしれません。

そう、甘いわけがない。

だとしたら、「仕入れも設備投資も要らない」という言葉の優位性がどれほど強烈であり、どれほど羨望の的であり、どれほどありがたいかがよく理解できるでしょう。

言葉そのものを売るのでなくても、言葉を使って何かを売ろうとしたとき、すでにあなたには「言葉」があります。

言葉を使うのに経費はかかりません。家賃も電気代も仕入れ担当者の人件費も宣伝広告費も、何も要らない。

「言葉」というメディアが持つ、きわめて特殊な性質です。

紙と鉛筆さえあればいい。

スマホでもパソコンでも、文章が書ける。

なんなら口で言って書き取ってもらってもいい。

声で録音しておいて、誰かに文字にしてもらってもいい。

そんな自由度の高い材料が、ほかにありますか?

陶器を焼くには、やっぱり粘土でなければいけない。「なんなら小麦粉でも」というわけにはいきません。

「蜂蜜を使うのに、純粋はちみつを仕入れたいが、高いから純粋はあきらめるか」という判断をするかもしれません。

しかし言葉なら、そんな判断は要らない。どんな言葉も、無料です。

しかも、すでに持っている。「どう使うか」の能力さえあれば、好きなものを好きなだけ使っていい。

こんな道具がほかにあるでしょうか。

それが言葉です。
言語能力です。
文章力です。

そこにある道具と材料を、タダで好きなように使って、いくらでも「価値」を作っていい。

とはいえ誰にでも「価値」が作れるわけではない。道具と材料を使いこなす能力があれば、の話。

料理に喩えるなら、調理器具や食材をなんでも好きなだけ使わせてくれて、しかも作った料理は自分で好きなように売っていい。

まるで「錬金術」ですね。

それが文章力です。

「文章力を身につけないとあまりにもったいない」理由がお分かりいただけたでしょうか。

【オンライン文章講座】(秋の講座)

日時:2020年11月28日(土)15:00~20:00頃
料金:10,000円(税込)
会場:自宅でオンライン受講
講師:齋藤匡章(言語戦略研究所)
内容:人を動かす文章の書き方
文章力は、一生にわたって役に立つ技能です。誰でもタダで平等に使える「言葉」という道具ですが、だからこそ一人一人の言葉の力によって差がつきます。仕事で言葉を使う場面が多い方は、この講座で言語能力を高めて、周囲のみなさまのお役に立ってあげてください。

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Stille Nacht(きよしこの夜、Silent Night)の歌詞

●Stille Nachtの歌詞、読めますか?

レッスンで取り上げている「Stille Nacht」(きよしこの夜、Silent Night)の歌詞を、あまり意訳せずに、ほぼ直訳で、原文がわかりやすいように訳してみました。

どの語がどういう意味かがわかるように、Wordで作ったものを画像にしてそのままの形で載せます。

見えるでしょうか。

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なぜ「人を動かす文章」にならないのか(文章の書き方)

●必要な要素を足さず、不要な要素を強めてしまう

文章の書き方講座」受講者のみなさんから、文章に関するお悩みが届きます。

昔から文章に苦手意識があって、「なぜ文章がうまくならないか」とずっと悩んできた方もいますね。

こんなメールが届きました。

もうかれこれ10年も仕事で文章を書いているのに、
上司には叱られるわ、集客の反応は薄いわで、落ち込みます。
即席に効果の上がる方法は無いものでしょうか。
すみません。無いのはわかっているのですが……。

さすがは毎日書き続けているだけのことはあって、お手軽な方法がないことを知っていますね。

まあ、文章の力がガラリと変わるコツがないこともないのですが、ベースとなる「文章力」(基礎体力)が高まってからでないと、効果は上がりません。

上級者が受講する音楽のマスタークラスをイメージすると分かるでしょう。上級者は先生のたった一言で「あっ、分かった!」がありうる。長年感じていた「天井」を一瞬で突き抜けてしまうこともある。

ところが入門者が同じ指導を受けても、ベースができていないから、コツを聞いてもピンとこないし、技も使いこなせない。

「なぜ文章がうまくならないのか」というお悩みに対して、ひとつの答えを提示します。

それは、「必要な要素を足さず、不要な要素を強めてしまう」からです。

ほら、もしかしたらこの一言で、「あっ!」と気づいたかもしれません。

効果的な文章には、必要条件があります。必要条件を満たしていないと、文章の目的を達成することができません。

その条件を、仮に「A、B、C」とします。

この3つの条件を適切に満たしているのが、力のある文章です。

ところが、何かが不足していたり過剰だったりすると、文章には力がなくなり、「効果のない文章」になってしまいます。

不足とは、たとえば来店を促すチラシに「地図」がないようなもの。見た人はどうしたらいいか分かりません。

過剰とはたとえば、着付け教室のチラシに「教室の畳のイグサの品質や産地」から「教室の所在地の歴史」「講師が生まれた日に関する母親の思い出話」まで、講師のこだわりでなんでもかんでも記載するようなこと。

「知ってほしい」気持ちが強すぎると、そうなりがちです。

不足や過剰を簡単に記号で表すと、

(1)A、B
(2)A、B×2、C
(3)A、B、C、D

こんな感じでしょうか。

(1)は必要な「C」が欠けている。
(2)は「B」を過剰に語っている。
(3)は余分な「D」が全体の効果を下げてしまう。

ここで問題です。

(1)の人は、何をしたら文章が良くなるでしょうか。(2)の人は? (3)の人は?


●「言語行為」は会話も文章も同じ

答えは簡単ですね。

(1)の人は、Cを足せばいい。

(2)はBを適度なレベルに抑えればいい。

(3)はDを取り除けばいい。

ところが、問題はここからなんです。

多くの人の傾向ではあるのですが、「必要なことをやらず、必要でないことをやる」せいで、ちっとも「A、B、C」にならない。

文章や言葉に対する意識から変えないと、

(1)の人は「Cは好きではない」などと言いながら放置したままだし、
(2)の人は「Bが大事だと思うんです」とさらに「B×3」にしてしまう。
(3)の人は「Dにも興味を持つ人がいるかもしれないので」と相変わらず余計なことまで書いてしまう。

※ここ、すごく大事なところ!

だから、ますます「効果の低い文章」になっていくのです。

頭で理屈っぽく考えて納得しながら書こうとしているかぎり、「今までと同じ結論」しか出せないので、結局は「似たような文章の域を脱することができない」のです。

会話だろうとスピーチだろうと文章だろうと、すべての「言語行為」について言えることですね。

この流れを変えるのが、文章の書き方講座です。


【オンライン文章講座】(秋の講座)

日時:2020年11月28日(土)15:00~20:00頃
料金:10,000円(税込)
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内容:文章の書き方
文章力は、一生にわたって役に立つ技能です。誰でもタダで平等に使える「言葉」という道具ですが、だからこそ一人一人の言葉の力によって差がつきます。仕事で言葉を使う場面が多い方は、この講座で言語能力を高めて、周囲のみなさまのお役に立ってあげてください。

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オーラルフレイルの予防に最適なのは「話す、歌う」

●口が弱ると老ける

「オーラルフレイル」って聞いたことがありますか?

オーラル(oral)は「口」、フレイル(frail)は「弱い、脆い」で、口腔機能の衰えを意味する言葉です。

オーラルフレイルによって、健康寿命が短くなり、将来の介護リスクも高まるとされています。

口が弱ると、老けるんですね。

口が弱れば栄養が不足し、脳や全身の筋力が衰えます。外出が億劫になって出かける機会が減り、体の不調がますます悪化していきます。

引きこもりがちになれば、しゃべる機会が減ります。会話は非常に高度な脳の活動なので、しゃべらなければ脳や心への刺激が少なくなり、意欲の低下につながります。

東京大学高齢社会総合研究機構による研究では、オーラルフレイルによって4年後の要介護や死亡リスクは、健康な人の2倍以上に高まるとされています。

怖い怖い。口を鍛えましょう。


●声を出す人は口が弱らない

日常的に高い強度で声を出す人は、長命といわれます。

毎日必ず読経するお坊さんは、長生きなのだそうです。声を出すから、口が弱らないのでしょうね。

統計学的に有意なデータが取れるほど僧侶の数が多いのか知りませんが、確かに長生きのイメージはあります。

声楽家や落語家なども、長生きなだけでなく、「頭がしっかりしている」のがわかりますね。

ご高齢でイキイキしている声楽家と話していると、ストレスに強い(ストレスをあまり受けていない)ように感じます。声を出すことで、ストレスを吹き飛ばしてしまうかのようです。

ぐちぐちとつまらないことを考えていると声に良くないので、余計なことを考えない習慣が身についているのでしょう。

昔から冗談半分に、「高音を出すテノール歌手は頭を使わない」(くよくよ考えるタイプは良い高音が出せない)といわれています。

人の脳を売買する商人が、「これは有名なテノール歌手の脳だから、高い。なにしろ未使用だから」と語るジョークがあるくらい。

声とストレス、そして健康寿命とは、深く関わっているということですね。


●声のサロンはオーラルフレイル改善プログラム

健康寿命を延ばす秘訣は、「話す、歌う」。

最近、歌っていますか?

といっても、がむしゃらに声を張り上げるだけでは、喉を傷めてしまいます。

声帯のポリープが悪化して、手術しても声が改善せずに引退する歌手もいるくらいだから、なんでもかんでも声を出せばいいわけではありません。

声帯に負担のかからない発声で、「出していて気持ちいい声」を出すのがいい。

話すときも、楽に良い声で話す。

となれば、共鳴発声法ですね。

声のサロンは、オーラルフレイル改善プログラムともいえそうです。

さあ、良い声で話し、歌いましょう。

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リアリティーのある文章の書き方

●自分の体験をどう入れる?

人を動かす文章を書くには、リアリティーが必要です。

文章の型を守り、たとえばPREP法などに当てはめて書いたとしても、読み手が「嘘くさい」と感じたら「人を動かす文章」にはなりません。

そもそも読み続けてもらえませんよね。

自分の体験など具体例、実例などを詳細に書くことは、効果的です。

とはいえ、いくらでも詳しく書けばいいかというと、そうではない。

加減が肝心です。

さすがは「文章の書き方講座」で学んでいるみなさんだけに、そういうバランスや手加減について気にしているようで、こんなメールが届きました。

リアリティーを高めるために、「自分の体験」を入れたのですが、
「どの程度詳細に描くか」で悩んでいます。

あまり細かく描くと、読み手が共感できない部分も出て来るかも、
「私は、そう感じないな」と読む気持ちが離れてしまうかも、と感じます。

具体的には、「指名されたとたん、冷や汗が出てきて……」
「笑顔でいようとしているのに、緊張で表情が引きつってしまい、
相手に違和感や緊張感を与えてしまっている様子に、
さらに顔が引きつってしまい……」などここまで書くと、
読み手に「私は、それはない」と感じさせて
「自分のこと」と感じさせない可能性もあるかな、と思いました。

いいですねえ。とっても大事なことです。

何が大事かって、こうして「読み手の意識を推測しながら書く」こと。

なかなかこの意識が持てません。「体験を入れてみよう」と言われたら、とりあえず体験を書いて「ちゃんと書きました」と白か黒かで決めてしまう。

でも、大事なのは「書いたかどうか」より「どう書いたか」です。しかもそれは読み手の意識を推測しないとうまくいかない。

どうしても「自分にとって最もしっくりくる程度」で書いてしまうんですよね。

自分の関心事は、やたらとディテールが細かい。さほど関心がない事柄については、白か黒かでざっくりバッサリ。

正解は読み手や目的によって決まります。

細かすぎても粗すぎても、うまくない。一本の文章の中でも、「書く目的」によってどこを細かく、どこはざっくりするのが適切かが決まってきます。

一律に「このレベルの詳細度が正解」とは決められない、ということですね。

書いている文章を読みながら、「この流れでこの文を読んだ相手は、何を考え、感じるかな」と推測しながら、詳細度を工夫していきましょう。

「ここで読み手は何を知りたがるかな」「ここでどんな相づちを打つかな」と推測しながら、その反応に応えながら書き進める。

すなわち、「質問ライティング」ですね。


●読み手の意識を決めつけない

ただし、「読み手の意識を決めつけない」態度が大切です。

気にはしても、決めつけない。

文章だけでなく、コミュニケーション全般の原則と心得ましょう。

小説で言う「神の視点」が入ると、途端にリアリティーが消え、違和感を与えてしまいます。

「神の視点」とは、特定の登場人物の視点にとどまらない、「神様だからわかるんだよ」と開き直ったような表現のこと。

たとえば、こんな書き方です。

サルオは初ステージの緊張で、今すぐこの場から逃げ出したかった。
「大丈夫よサルオさん。私なんて違う曲を演奏したけど、なんとかなったから」
くま子はサルオを励ますことで、自分も少しは気が紛れるのを感じた。

サルオとくま子、それぞれ本人にしかわからないはずの内面を、断定して書いていますね。

サルオが本当に「逃げ出したかった」かどうかを知っているのは、サルオ本人だけ。だから、サルオの視点で書いている文章であれば、第1文は何も問題ありません。

ところが、サルオの視点で書いている文章なのであれば、最後の「(くま子は)……感じた」はおかしいですね。

こちらは、くま子にしかわからない意識内容なのに、事実のように書いている。つまり、くま子の視点に移ってしまっている。

つまりは、サルオの内面もくま子の内面も同時に知り得る人物が書いていることになる。そんな人物は存在しえないのだから、いるとしたら「神様くらいじゃない?」というのが、「神の視点」です。

神の視点が入った途端、「創作臭くなる」のがわかりますか?

自分の体験を事実として書いていたはずなのに、視点が自分ではないところに置かれたら、フィクションになってしまいます。


●他人の内面をうかつに描写しない

他人の意識内容を推測して表現すると、「神の視点」になってしまうことがあります。

しかも、書き手も自覚しないくらいスルリと忍び込んでくるので、注意が必要です。

たとえば、先ほど引用したメールでいうと、

相手に違和感や緊張感を与えてしまっている様子に、

このあたりは、ちょっとリスキーですね。

相手が違和感を覚えたり緊張したりしているかどうかは、相手にしかわからないはず。「様子」という言葉から「客観的にそのように見えた」という意味合いに多少は救われているものの、「本当に緊張していたの? 違和感はどこからわかった?」とツッコミを入れる余地がある。

「イライラしていた」「話しかけないでオーラを発していた」といった表現も、厳密に考えたら、おかしい。

こういうところにまずは「気づく」ことで、文章の精度が上がります。

「話しかけないでオーラを出している人っているよね」「わかる~、いるいる」と同調しているだけでは、精度の高い文章は書けません。

「真剣に仕事をしているだけであって、話しかけられるのは大歓迎」かもしれないのに、勝手に「他人を拒絶している気難しい人」判定は失礼ですよね。

「貧乏ゆすりをしながら、時おり机を指でトントン叩いた」は客観的な表現ですが、ここから「いや、明らかにイライラしてるでしょ」と決めつけるのは、別の話。

いったん立ち止まって、「この表現で適切かな」と気にする癖をつけましょう。

「客観的な描写」を心がけると、真のリアリティーが出てきます。

文章だけでなく、普段の会話から、気にするといいですよ。

「いきなり怒られた」
「逆ギレされて困惑」
「自分のことしか考えてないよね」

など、ネガティブ表現は特に「他人の内面を勝手に表現」しがちです。

「○○と注意された」
「注意したら、○○と反論された」
「私のことを考えてくれていないのかな、と思っちゃった」

このように、「客観的な描写」「内面を書くとしたら自分のこと」を心がけましょう。

* * *

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トレーニングで伸びるコツ(成長の原理原則)

●もう今日からでも「伸びるタイプ」になれる

今日は発声・話し方のトレーニングに励むみなさんに、「トレーニングで伸びるコツ」の話をします。

といっても、「毎日練習しましょう」だとか「水面下では成長しているから大丈夫」といった、すでに一般にも広く知られているような話ではありません。

どちらかというと、「不都合な真実」と呼ばれるタイプの事実について。

「成長」に関する原理原則です。

この話をよく理解して、自分のトレーニングに取り入れれば、今日からでもすぐに「伸びるタイプ」になれます。

あくまでもあなたが「伸びるタイプ」「もっと伸びるタイプ」になるための話として、今日はお伝えします。

声のサロンでもことば学講座でも、「記憶」や「学習」を取り上げていますね。心理学の大事なテーマの一つです。

成長や技術の習得、トレーニング成果などに関わる大事なテーマです。

あなたはレッスンの時間に、記憶もするし学習もしますね。成長もするし、技術の習得もします。

私はそれを促進させる役です。

学び習うあなたは、有益な技能を習得しようとしている。私はその成果を願っている。

役割は違えど、同じ一つの仕事に取り組んでいるといえるでしょう。


●教えるのがうまい指導者、下手な指導者の違い

教師や講師、インストラクター、コーチと呼ばれる人たちは、教えたり育てたりするのが仕事です。

「できない」が「できる」に変わるサポートをするのが、こうした指導者の役割ですね。

昔も今も、「育てるのがうまい指導者」と「下手な指導者」がいます。

指導者自身、わかっているんですよね。自分はわりと育てるのがうまいほうか、下手なほうか。

どうやってわかるのか。

もちろん、結果からです。成果からです。

教えた相手が育てば、うまい。育たなければ、下手。

教授法を学び、指導の経験を積んでも、生徒がちっとも育たなかったら、良い指導者とは評価されないし、自分でも自信が持てない。

逆に、教える技術を学んでいなくても、長年の経験がなくても、受け持った生徒がグングン成長したら、良い指導者として認められる。自分でも自信が持てる。

あくまでも結果が教えてくれます。

だから、教えてきた年月が短く人数が少ないうちは、確率的に見極めが不正確になります。

極端な話、1人しか教えたことがなく、その1人が育てば「100%成功する優秀な指導者」ということになってしまうし、その1人が育たなければダメ指導者ということになる。

あまりに不正確な見極めですね。

しかし、教えた相手が数百人、数千人と増え、教えた年月も何十年と伸びるにつれて、だんだんと正確な見極めができてくる。

そんなレベルのベテラン指導者たちが語った「育てるコツ」があります。

育てるコツというより、「育てることに成功したとされる成果の真実」です。

優秀とされる指導者は、教え方の技術が優れていたのではなく、「育った相手が優れていた」というのです。

シンプルな言い方をするなら、「育つ人だけを育てた」。

育たない人を、努力して、工夫して、がんばって育てたのではない。

育つタイプが勝手に育っただけ。

もちろん、指導者が「この人は育つから教える」「この人は育たないタイプだから教えない」と選り好みしたり贔屓したりするわけではありません。本気でみんなを指導している。

スポーツの世界では素質ある選手だけ選抜して育てるという場面はありますが、多くの場では「相手が希望すれば教える」ものです。

音楽教室の先生が生徒に「あなたは才能があるから教える」「あなたには才能がないから教えない」と選びませんね。

塾の先生が「キミは伸びそうだから入塾を認める」「キミは伸びそうにないからお断り」なんて選り好みしない。

そりゃそうです。「絵が苦手だから習いたい」と教えを乞うたのに、「どうもセンスがなさそうだから教えない」と断られたら困りますよね。

「センスがあれば、とっくに得意になってる。センスがないから習いたいんだ」とツッコミますよね。

職場でも部下から相談された上司が「キミは才能がないから教えない。私は才能がある部下にしか教えない」と答えたら、問題ですよね。

だから、「育つ人だけを育てた」といっても、みんなを本気で教えてはいるわけです。でも、その中で「実際に育ったのは、もともと育つ性質を持っていた人だけ」ということ。

これが育成の、指導の真実だというのです。

よろしいですか? ここはかなり大事なところです。

「育ったのは、もともと育つ性質を持っていた人だけ」

この一文、ぜひ覚えておいてください。

といっても、教える仕事をしている方は、私も含めて、この事実を「責任転嫁の口実」にしてはいけませんね。それではプロ意識に欠けます。

指導者は、困っている相手に手を差し伸べ、サポートをするのが役目です。

「困っている相手」とはすなわち「不足している相手」なのだから、センスや才能を求めて選別するのは違いますよね。

必要とする人に適切に「give」することだけに集中するのがいい。

「部下を親身に指導して、成長を見守るのは嬉しいけれど、何年かすると異動で担当が変わってしまうから虚しい」という話を聞いたことがあります。

「教室に通ってくる生徒も、いつかは卒業していくから、なんか本気になりきれなくて」とこぼしていた人も。「できるようになると、いなくなる」という。

でも、そこは考え方が大事。相手本位のはずの指導も、入れ込み過ぎるとどこかで自分本位が忍び込んできます。

サポート役が変わり、御役御免になったなら、それはそれで嬉しいこと。

子が自立して自分のもとから離れることを心から喜ぶ親のような意識が、指導者には必要ですね。


●なぜ彼らは伸びたのか

「育ったのは、もともと育つ性質を持っていた人だけ」

私の経験からも、確かにその通りと納得できます。

今までいくつかの分野で数千人を指導してきました。直接会わずに指導した通信教育などを入れれば延べ数十万人になります。

自慢のようですが、「教えるのが異常にうまい」と評されたことがあります。

事実はどうか。

「教えるのが異常にうまい」のではありません。「異常に伸びた生徒がいる」だけのこと。

100人のクラスを担当して、100人全員が例外なく伸びるなら、「教えるのが異常にうまい」と自慢していいでしょう。

でも、そうではない。その中で10人か20人か、限られた一部の生徒に「異常に伸びた生徒」がいる。

英語の授業だとしたら、英語が嫌いでたまらなかった生徒が、テストで80点や90点を楽々取るようになり、やがて英語の仕事をするプロになる──そんな極端な変化をする生徒が一部にいる。

全員ではありません。大勢ではありません。ごく限られた一部です。

それでも劇的な変化だから、目立つわけです。それで「教えるのが異常にうまい」と評される。

指導者自身はよくわかっているものです。「優秀な人気講師」「あの先生に教われば必ず合格する」なんて高く評価してもらえるのは嬉しいけれど、それは「優秀な生徒のおかげ」であることを。

オリンピック選手が金メダルを獲ると、その指導者や指導法が脚光を浴びることがありますが、もちろん指導者の力もすばらしいにせよ、選手が活躍したおかげで評価されるんですよね。

あるプロゴルファーがこんな話をしていました。「スイングに唯一の正解があるわけではない。その時期に活躍している選手のスイングが正解とされるだけだ」。

正しいスイングと誤ったスイングがあると信じている人が多いが、そうではなく、その年に優勝したゴルファーのスイングが正解だとしてみんなが真似するだけのこと。

つまり、そのスイングが「正解」の栄冠を勝ち得たのは、そのスイングを採用して活躍してくれたゴルファーのおかげである、ということですね。

スイングの種類など、細かに分類すれば何種類にも分けられるのだそうです。今年のなんとかオープンで優勝したゴルファーが、スイングAではなくスイングBを採用していたら、優勝できなかったか。

メーカーAのゴルフクラブではなくメーカーBの製品を使っていたら、優勝できなかったか。

まあ優勝はごくわずかな差であっちへ転んだりこっちへ転んだりするので断言はできないまでも、優勝争いをするグループにはおそらく残るだろう、ということでした。

なぜなら、「伸びる性質」を持っている選手だから。


●育つ性質を強めるには

思い出しましょう。

「育ったのは、もともと育つ性質を持っていた人だけ」

トレーニングする側から考えてみましょう。

育ちたい、成長したい、何かを身につけたいなら、「育つ性質」を持つ必要がある、と解釈できます。

どんなタイプが「育つ」のでしょうか。逆にどんなタイプは育たないのでしょうか。

数千件ないし数十万件というケースから、ある程度は統計的に「こんなタイプは伸びる」と導き出すことができます。

私が見てきたのは、文章や発声や潜在意識や動作など、人間の深いところに関わる事柄が多いので、たとえばワープロソフトの使い方だとか機械の操作法などの習得とはちょっと違った部分があるかもしれませんが、共通部分も多いはずです。

トップ3といえる要素を挙げますから、今後のトレーニングに取り組む上での参考にしてみてください。

  1. いつもそのことばかり考えている
  2. 「自分」が強すぎない(長続きする秘訣)
  3. アイデンティティが変わる

それぞれ説明を補足します。

1. いつもそのことばかり考えている

習ったことをいつも意識のどこかに置いていて、何かにつけて思い出す状態は、たいへん望ましい。

「意識」や「言葉」なんて、起きている間ずっと付き合っているものですから、気にしていれば24時間絶えず意識の中に置いておけます。

肩甲骨や股関節の使い方を指導したところ、「仕事中にしょっちゅう肩甲骨を動かしている」と話してくれた方もいます。

「起きてから寝るまで、ずっとトレーニング。たぶん寝ている間も」と表現した方もいます。

むしろ、自分が取り組んでいることを考えていない時間のほうが少なくなっていく。それが伸びるタイプです。

2. 「自分」が強すぎない(長続きする秘訣)

「自分が○○」「自分は××」が強すぎると、習ったことを素直に吸収できないばかりか、取り組みが長続きしません。

「継続」は伸びるタイプの必須条件ですからね。

続けるには、教わる内容と自分自身がぶつからないほうがいい。

たまに年配の方から「もう今から始めても遅いでしょうか」と質問をいただくことがあります。

いつ始めても、伸びる人はぐんぐん伸びます。それに、これからの人生の中で今日が一番若いんです。

とはいえ、年配の方の弱点として「今までの自分とぶつかって素直に受け取れない」ところは確かにあります。

発声を習っても、「若い頃にこう習ったんですけど」と自分の中にあるものとぶつかって、素直に入ってこない。

これに関しては、「素直が一番」と表現したことがあります。

大人なんですから、スパッと覚悟を決めたら、あとは素直に受け取っていくのがいい。それができる人は、必ず伸びます。

そういえば、最近は「ネットでこういうのを見たんですけど」と言われて困惑している講師が少なくないそうです。音楽教室の先生も、生徒さんから「YouTubeでこういう弾き方を見たんですけど」と言われて、「だったらここに習いに来ないで、YouTubeで勉強したらどうですか」とお引き取り願ったそうです。

確かにそういうタイプの生徒は、伸びませんね。ネットでいろいろ探して、参考になりそうな答えがないかと気軽に行動しているのかもしれませんが、この行動パターンの持ち主は、今後も何かあるとネット検索に戻りますからね。

ネットでふらふらと答えを探している点で「自分が強い」とは逆のようにも思えそうですが、「何かあればネット」という行動パターンに執着するところから、「自分が強い」と言えます。

自分を中心に据えて固定し、「自分に合うものを探す」人はなかなか伸びない。

「合う自分に育てていく」という、自分側を動かしていく意識があると、伸びていきます。

3. アイデンティティが変わる

アイデンティティとは、「自分は何者か」の認識のこと。

発声のトレーニングを始めて数年経って、自分を「発声に取り組む者」「声を大切にしている人間」と認識するようになる人は、伸びますね。

つまり、伸びるタイプは「そういう人間」「そういう存在」という自己認識が変化してくる。

逆に、伸びないタイプは「ちょっと声に興味があって習っている」という感覚でずっとやっている。

たとえば、声のサロンやことば学講座を受講している方であれば、「自分は声を大切にしている者」「身体や意識の大切さを知っている者」「だから丁寧にトレーニングを積み重ねている存在」といった自己認識になっていますか?

こうしたアイデンティティは大事です。

そういう存在になっている、という「なりきり」をまずは本気でやってみるといいですよ。

今日は、せっかくトレーニングや修業に取り組むなら成果を上げてほしい、取り組んだなりの素敵なものを手に入れてほしいとの思いから、「伸びるタイプ、伸びないタイプの違い」についてお話ししました。

これを機に、「グングン伸びるタイプ」「ガラリと進化するタイプ」になりきってしまいましょう。

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ウェブ:https://wsi-net.org/
メール:tenor.saito@gmail.com
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