共鳴発声法のトレーニングに朗読は必須

●朗読の技法

こんなご相談がありました。

「朗読なら良い声で読めるのですが、ふだんの会話がダメなんです」

わかります。できあがっている文章を覚えて声に出すのであれば、自信をもって良い声で「演じる」ことができるのでしょう。

なのに、その場その場で考えながら、反応しながら口に出す「会話」はどうしても口元の声、喉声、ナマっぽい幼稚な声になってしまう。

そんな声を「地声」と呼ぶ人もいます。「地声」は正式な発声用語ではないので、どんな発声を指しているかをその都度確かめる必要がありますが、良い声ではないナマっぽい感じ、野太くて低めの声を指している人が多いようです。

しっかり練習した「商品の説明」は、良い声で話せる。なのに、厳しい指摘などが飛んできたときに「すみません」と口走る声が口元の太い声になってしまうとしたら、共鳴発声法の型ができていないから。

共鳴発声法で話せるようになるには、朗読練習によって体に型を教え込む必要があります。

本番で少々慌てても、逆に緊張がゆるんでも、体が型を覚えていれば、崩れません。まるで形状記憶合金のように、気を抜いてもちゃんと良い形に戻る。

そのための「朗読レッスン」に、これから入ります。

 

●「声色」は使わない

朗読では、「声色」は使いません。「声色」(こわいろ)とは、いわば物真似のこと。

登場人物が女の子ならキャッキャッと女の子らしい声を出し、ネズミが出てきたら奇妙に甲高い声をキーキーと出し、ゾウが出てきたら低~い声での~んびり話すことでキャラ設定をするようなのは、声色であって朗読ではありません。

たとえば、夏目漱石の『坊っちゃん』の冒頭に、「いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい」という台詞が出てきます。

ここを読むとき、あまりに気分を出して、挑発的に、バカにした調子で声を歪ませて「よ~わむ~しや~~~い」のように読むと、朗読としては少々不自然になります。

過剰な声色のせいで、聞き手が物語の世界から抜けてしまうのです。

登場人物をイメージしながら読めば、自然に「なんとなくそれっぽい印象を抱かせる」話し方にはなりますが、最小限に抑えて、聞き手の想像の余地を損ねないようにしましょう。

さあ、共鳴発声法で朗読しますよ。共鳴発声法という「声の型」を染み込ませましょう。

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新潟市で会話のレッスン
ウェブ:http://wsi-net.org/
メール:tenor.saito@gmail.com

 

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