事も無げに乗りきろう(良い声を出すコツ)

 

●バタバタと忙しい時期こそ

年末年始や年度末、ほかにも仕事が立て込んでいる時期など、何かと忙しく、気持ちまでバタバタしやすい時期がありますね。

なんとかこの時期を乗りきりたいと、毎日がんばっている方も多いのではないでしょうか。

良い声を出すには、脱力が肝心です。

共鳴発声法のレッスンでいつもお話ししているように、「必死にがんばる」「力む」「気合を入れる」のは、無理がかかって、良い声になりません。

スポーツでもリラックスできているときに最高の成績を修めるように、声も楽にのびのびと出すときに最も良い声が出ます。

そのための意識の持ち方のコツを今日はお話ししましょう。

 

 

●大事なイベントほど「事も無げに乗りきる」

それは、超多忙な時期ほど、大事なイベントほど、「事も無げに乗りきる」。

あまりに気合を入れて、「全力でがんばるぞ」「燃え尽きるぞ」「最後までやり抜くぞ」と力むと、終わったときに本当に燃え尽きて、体調を崩したり、やる気を喪失したりします。

イベントをピーク(山の頂上)に設定すると、登頂時に目的を見失って気が抜けてしまうのです。

死ぬほど勉強して第一志望の進学先に入った学生や、夢にまで見た就職先に決まった新社会人が、翌月にやる気を失っている「五月病」は、まさにそんな燃え尽き症候群ですね。

いわゆる「打ち上げ」(イベント後に慰労の目的でワッと騒ぐ会)につながるような感覚も、燃え尽き無気力につながります。「やった、終わったあ!」とピークに到達した感覚を強めてしまうからです。

「打ち上げ」より、「反省会 & 次回の企画」を淡々と話し合って、いつものように過ごすのが、流れが途切れないコツです。

たとえばガラコンサートが終わったら、本番の興奮冷めやらぬ直後に、もう来年のために何を強化し、どんな練習をしていくかを考えている。

やがて高いレベルに到達する人は、そんな思考パターン、行動パターンを持っています。

「フェルマータ○周年」が実は何の一区切りにもならず、流れの中の一点にすぎないのと同じように、ガラコンサートが何かの区切りになるわけではない。

途絶えない流れの中の一日にすぎない。

「本番でがんばって良い演奏をしなきゃ」ではなく、「いつでも良い演奏ができる力をつけるためにふだんのトレーニングをする」「そうやって出せた力が今の実力」という感覚で、事も無げに当日を乗りきりましょう。

 

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【共鳴発声法】身体を楽器として鳴らす方法

●良い声で話せるかどうかは「習慣化」次第

 

良い声で話す共鳴発声法をしっかりマスターするには、練習を習慣化することが大切です。

たとえば、朝起きたら声を出す。
車の運転中に、声を出す。
電車の待ち時間に、声を出す。

自分の生活パターンに合わせたタイミングに、いつでもいいので、発声トレーニングを習慣化してしまいましょう。

習慣とは、つまり「考えなくても、がんばらなくても、当たり前のようにする状態」です。

歯磨きをするときに、いちいち理由や目的を考えませんよね。「虫歯にならないように、今日もしっかり歯磨きをするぞ」と考えながら歯ブラシを手にする人は少ないでしょう。

もし歯磨きの最中に誰かから「どうして歯磨きなんてするの?」と聞かれたら、「えっ?」と一瞬詰まるはず。理由など要らない習慣になっているから。

発声も習慣化しましょう。

すると、出る声や出しているときの感覚によって、その日のコンディションが分かるようになってきます。

「声がかすれる。声帯が少し腫れぼったいかな」
「昨日教わった共鳴の感覚が、やっと分かった気がする」
「声に伸びがない。喉が詰まっている感じ」

こんなふうに、体が「良い声、良くない声」をちゃんと教えてくれます。

毎日の習慣だから、分かるのです。週1回の練習では、こうはいきません。

今、朗読の練習を毎日していますか?

忙しかったら一日10分でもいいので、毎日「声と向き合う」時間を確保してみてください。

 

 

●体を鳴らそう

 

共鳴を集めて発声のポジションを高めて朗読をすると、「体が楽器のように鳴る」感覚がやがて分かります。

最初は高アクセント(高めの声)でピーンという感覚として感じられるはず。

その状態をできるだけキープして歌ったり朗読をしたりする練習を続けると、あなたの体が「鳴りやすい楽器」に育ってきます。

ただし、注意点があります。

「ピーンの感覚を出す」ことだけにこだわると、口の中をゆがめたり力ませたりして、「とりあえずピーン」を無理やり作ろうとしてしまいます。

これは良くないんです。

自分で聞いて分かりますよね。声の色が良くない。無理やりピーンを出そうとすると、やけに硬質な音になったり、母音が歪んで発語が不明瞭になったりする。

あくまでも「発声の基本」を守りながら出したピーンが本物です。

次回のレッスン日まで、たっぷり練習をしましょう。

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良い声の土台を作ろう……四股

●声だって、体が基本

言語戦略研究所の齋藤です。

良い声の基礎を成すのは、発声技術です。

喉を開けたり、横隔膜その他の筋肉を駆使して呼気をコントロールしたりといった技術によって、あなたの声は良くなります。

しかし、技術を支える土台は、体です。

オリンピックの体操選手だって、寝たきりになったら、前転だってできないのですから。

発声にとって特に有用な身体状態は、

・柔軟であること
・下半身が安定していること

この2つです。

今回は「下半身の安定」に役立つトレーニングをご紹介します。

 

●四股を踏んでみよう

四股(しこ)を踏んだことはありますか?

力士が土俵入りのときにする、脚を横に交互に上げる、あの動作です。

こんなに高く上げなくても大丈夫です。

私はずっと四股を踏んできました。相撲の動作としての四股は、中学校の相撲の授業のときだけですが、柔道部でも、学生時代の極真空手部でも、四股はトレーニングメニューの一つでした。

四股で鍛えられるのは、下半身の筋力と、股関節の柔軟性による「安定感」が大きいと実感しています。

下半身の筋トレとして優れているだけでなく、ちょっと気合を入れて繰り返せば有酸素運動としても優秀です。

本当は「声のサロン」のレッスン時に全員でおこなうトレーニングメニューにしたいくらいなのですが、四股を踏むには服装が限られ、なにより和服の私はできないので、各自の自宅トレーニングに任せます。

追求すると奥が深い四股ですが、まあ難しいことは考えず、片脚を横に持ち上げた姿勢を2~3秒キープ、反対側も繰り返す……という感じでやってみてください。

※声のサロンは、良い声で話せるようになる
 ボイストレーニング話し方教室(新潟市)です。
 日本発声協会が認定する話し方発声法の基本、
 共鳴発声法が学べます。
 平日コースと週末コースがあり、フェルマータを会場に
 月2回ずつ開催されています。

 新規に受講をご希望の方は、事務局(メイフェア)まで
 お電話(025-211-7007)ください。

 詳しくはこちらから。
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新潟市で共鳴発声法の話し方教室
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通る声、届く声の出し方の本

 

上達のコツは「そのまま体に入れる」

●頭で覚えるには限界がある

良い声の出し方を身につけるには、コツがあります。「体で覚える」ことです。

「そんなの当たり前」と思いましたか? 発声は技術ですから、体で覚えるのは当たり前。確かにそのとおりです。

ところが、ついふだんの癖なのか、「理屈で納得」しようとして、上達が遅れたり止まったりするケースがめずらしくない。

ちょうど今日、「声のサロン」受講者のお一人が、「何も考えずに体で覚えるのが楽しくて」と話していました。

「そのまま体に入れる」という最高のコツがどうやら体感としてつかめているようですね。その証拠に、非常に伸びがスムーズで、驚かされるほど。

頭で覚える「顕在意識型」は、扱える情報量に限界があります。体で覚える「潜在意識型」なら、扱える情報量が膨大です。

発声・話し方レッスンは、そのまま体に入れてください。

 

●今の感じが良い声!

「体で覚える」とは、たとえばどんな感覚なのか。

「喉を開ける」で説明しましょう。

「喉を開ける」という状態については、何度も何度もレッスン時に説明します。しかし、理屈を知ったとしても、喉が開くわけではない。

声を出していて「今の声! 今のが喉の開いた声!」と指摘されたときに、そのときの体の感覚を覚えて、いつでも再現できるようにするのです。

言ってみれば、「喉を開けるって、どんな感じ?」と知ろうとするのではなく、「今の感じが開いている状態!」と言われたときにその感覚で覚えようとする。

「できる」のが先です。できてから、「あ、これか」と分かる。初めて泳げたとき、初めて自転車に乗れたとき、初めて逆上がりができたとき、いつもそうだったでしょう?

理屈で理解できてから、できたのではない。膨大な情報量を体が勝手に処理してくれて、先に「あ、できた!」が起こる。理屈は後から「なるほど、こうしたから、できたのか」とついてくるし、別についてこなくても構わない。

たぶん今でも、自転車に乗れる理由が説明できない人のほうが多いでしょう。

良い状態を体が覚えると、「今のがいい状態」「今のが良い声」と言われる場面が少しずつ増えてきます。

そのときの自分の体の状態を、そのまま体に染み込ませていきましょう。

上達のコツをお話ししました。

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いい声で話すコツ──練習量を増やそう

●練習は裏切らない

以前にここでも「練習は裏切らない」という言葉を引き合いに出して、練習量を増やしましょうとお伝えしました。

練習は、習慣です。
ある日急に思い立って、声が嗄れるまで何時間も練習したって、翌日にへばって声が出ないようでは、練習になりません。

気分の盛り上がりとは無関係に、習慣的におこなうのが練習です。そうであってはじめて練習効果の積み重ねになります。

レッスンを受けて伸びる人は、いわゆる「素直な働き者」で、正確なトレーニングをコツコツと真面目に続けます。

「真面目だけが取り柄ですから」と話していた方がいます。真面目は最高の取り柄です。私も「真面目な人に教えたい」なんて話したこともあります。

真面目なタイプは一点集中で真剣に取り組むので、確実に伸びます。自分の感覚や思い込みに囚われず、新しいことをパッと取り込んで「染まって」いけるのも特徴です。

そして、なんといっても、「ちゃんと練習する」。だから伸びるわけです。

課題が難しいと感じたら、練習量を増やしましょう。朗読課題が「うわ~、なかなか覚えられない」と思う暇があったら、もう一度読みましょう。

「できない」「難しい」と口にする人ほど、練習量が少ないものです。「30回くらいで、なんとなく覚えられるものですよ」と聞いても、10回程度で「いやあ、なかなか覚えられないですね~」と弱気な言葉を口にし始める。

脳の仕組みからして、新しい技能を身に着けるとき、「繰り返し」は必須です。

繰り返しこそ、練習です。
繰り返しこそ、準備です。

練習量を増やしましょう。イヤというほど、イヤにならずに、ひたすら繰り返し練習したら、本番はちっとも怖くない。

そういう体験を積み重ねていきましょう。

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共鳴発声法のトレーニングに朗読は必須

●朗読の技法

こんなご相談がありました。

「朗読なら良い声で読めるのですが、ふだんの会話がダメなんです」

わかります。できあがっている文章を覚えて声に出すのであれば、自信をもって良い声で「演じる」ことができるのでしょう。

なのに、その場その場で考えながら、反応しながら口に出す「会話」はどうしても口元の声、喉声、ナマっぽい幼稚な声になってしまう。

そんな声を「地声」と呼ぶ人もいます。「地声」は正式な発声用語ではないので、どんな発声を指しているかをその都度確かめる必要がありますが、良い声ではないナマっぽい感じ、野太くて低めの声を指している人が多いようです。

しっかり練習した「商品の説明」は、良い声で話せる。なのに、厳しい指摘などが飛んできたときに「すみません」と口走る声が口元の太い声になってしまうとしたら、共鳴発声法の型ができていないから。

共鳴発声法で話せるようになるには、朗読練習によって体に型を教え込む必要があります。

本番で少々慌てても、逆に緊張がゆるんでも、体が型を覚えていれば、崩れません。まるで形状記憶合金のように、気を抜いてもちゃんと良い形に戻る。

そのための「朗読レッスン」に、これから入ります。

 

●「声色」は使わない

朗読では、「声色」は使いません。「声色」(こわいろ)とは、いわば物真似のこと。

登場人物が女の子ならキャッキャッと女の子らしい声を出し、ネズミが出てきたら奇妙に甲高い声をキーキーと出し、ゾウが出てきたら低~い声での~んびり話すことでキャラ設定をするようなのは、声色であって朗読ではありません。

たとえば、夏目漱石の『坊っちゃん』の冒頭に、「いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい」という台詞が出てきます。

ここを読むとき、あまりに気分を出して、挑発的に、バカにした調子で声を歪ませて「よ~わむ~しや~~~い」のように読むと、朗読としては少々不自然になります。

過剰な声色のせいで、聞き手が物語の世界から抜けてしまうのです。

登場人物をイメージしながら読めば、自然に「なんとなくそれっぽい印象を抱かせる」話し方にはなりますが、最小限に抑えて、聞き手の想像の余地を損ねないようにしましょう。

さあ、共鳴発声法で朗読しますよ。共鳴発声法という「声の型」を染み込ませましょう。

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上手な「断り方」が自分の時間を増やしてくれる

●上手に断る方法を教えて

「断り方」に悩んでいる方は少なくありません。

「飲み会への参加を断る上手な断わり方を教えてください」と「会話に関する質問」に書いてくれた方もいますね。

特に自分の大事な取り組みがある人にとって、時間を奪われてしまう「あまりプラスにならない会合」には参加したくないのが本音でしょう。

冬になると、忘年会やら新年会などが増えて、相談を受けるケースが増えてきます。

断り方の原則として、次の3つを守ってみてください。きっとうまくいきますよ。

  • 言葉はやわらかくても、態度は断固として
  • 一貫性を持たせる
  • 否定しようのない理由を添える

たとえば、「忘年会への参加を断る」とします。

「出たくないんです」のようにストレートな言い方では、角が立ちます。

「え、なんで?」と聞かれますよね。それが面倒くさくて、しょうがなく参加してきたのでしょう?

言葉はやわらかく、が原則。ただし態度まで「えぇ~っ、でもぉ……どうしようかなあ……」なんてやっていると、「迷える程度の理由で断ろうとしているのか」と不審に感じさせてしまいます。

また、「一貫性」はきわめて重要です。「一貫性を持たせるための説明」を考えましょう。

「お酒を飲みたくないので、上司にそう言ったら、乾杯だけは付き合いなさいと言われて、それ以来ドタキャン」

ドタキャンなんかして大丈夫ですか? 繰り返したら余計に叱られるでしょう。

「飲みたくない」なんて理由がよくないんです。一貫性を持たせるためには、「体質的に飲めない」のような永久に使い続けられる理由を伝えないと、次回以降ずっと新しい口実を考えなければなりませんよ。

うっかり乾杯に付き合った回があったなら、今さら「体質的に」は使えないので、「ドクターストップで」あたりが使えます。

理由を聞かれても「はい、ちょっと……」で濁せます。

こういった理由に対して「そんなの大丈夫でしょ」と無理強いする人はいないでしょう。

まあ実際にはいますが、そういうケースはまた次の手を考えればいい。

まずは原則を押さえておきましょう。

最後に「否定しようのない理由」として、たった今すごく良い例が届いたので、ご紹介しますね。

> 所属している部署の忘年会に参加する予定にしていました。
> 退職される方がいるので送別会も兼ねるのかな、
> と思ったためです。
>
> ところが送別会はあらためて行うと知ってから、
> 不参加に変更しようか迷っていました。
> 仕事も忙しいし、お酒の席は好きではないし、
> 気持ちいい会話が飛び交う場になりそうにもない。
> でも、今さら断りにくい上に、20名弱の組織で女性が5人だから、
> 私が行かないとなんとなく会が寂しくなるかな、
> などといろいろ考えていました。
>
> ところが、誰に聞かれても堂々と言える偽の急用を思いついたのです。
> 「妹に頼まれて赤ちゃんの世話にいく」です。
> とたんに心に余裕ができ、あっさりと断ることができました。

なるほど、うまいですね。
「妹に頼まれて赤ちゃんの世話にいく」という口実に対して、「べつに行かなくてもいいでしょ」とは誰も言えません。

ほかに似た──汎用性の高い──口実に「親の介護」があります。

個人の都合や好き嫌いにとどまらない、他者が関わる理由で、しかも古典的な「不幸があって」と違って何回でも何年にもわたって使える点で秀逸です。

「親なんかいいじゃない。一晩ぐらいほうっておけば」とは誰もいえませんよね。

 

●「来られないんでしょ?」と言われたら大成功

おもしろいもので、こういった会合(忘年会やら新年会やら)が積極的に好きな人は意外に少ないようです。

大人になればなるほど、「時間がもったいない」と億劫に感じるようになるらしい。

なのに、「毎回いちいち断る口実を考えるのが大変だし、断ると迷惑をかけているかも、どう思われているのかな、と考えてしまうのがストレスだから、仕事のうちと割りきって参加している」人が多いようです。

一部の人たちがわ~っと盛り上がると「みんながそう」に見えるんですよね。「みんなが年末の忘年会を楽しみにしている」と。

でも、実際は違う。

マスメディアが取材したりニュースになったりする物事を考えれば、「目立って見えるのはむしろ一部の特殊な人たち」とわかる。

ハロウィンの夜には若者がみんな渋谷に集まるように錯覚するし、年末年始には日本人みんなが大きなスーツケースを転がして成田空港にいるように見えるし、ゴールデンウィークの終わり頃には日本人がみんな高速道路の上でイライラしているかのように思える。

しかし、若者の大多数は渋谷に集まらないし、日本人の大多数は年末年始に日本にいるし、日本人のほぼ全員が高速道路以外の場所にいる。

「風潮」に飲まれることなく、素敵な時間を確保したいですね。

こうして話し方や発声、コミュニケーションを学び、トレーニングをしているあなたにこそ、「波風を立てずに、風潮に合わせる」のではなく、あえて多少の波風を立てたとしても、素敵な時間を確保できるように「断わり方」の技術を高め、しかも実践していただきたい。

毎回「断わる口実を考えるのが面倒」なのは、なんとなく風潮に飲まれて参加したりしなかったりと揺れるから。

最初から「来られないんでしょ?」と聞かれるようになったら、うまい「断わり方」が功を奏している、ということです。

毎回律儀に参加している人ほど、よんどころない事情での欠席なのに「義理を欠く」「こういう場には出なさい」などと責められ、出ないのが当たり前になっている人は、「お世話になった方の送別会だから挨拶だけ」と顔を出したら「律儀ですね。ご丁寧にありがとうございます」なんて喜ばれる。

なにより、大切なトレーニングに充てる自分の時間を毎日確保できるようになるのがプラスです。

みんなが酔っぱらって騒いでいるような場に身を置くより、素敵なお茶会で素敵な会話のトレーニングをするほうが話し方の指導者としてもオススメです。

「断わり方」──気にしてみてください。

「えっ、今回も来られないの? なんで?」はまだ断わり下手。最初から「来られないんでしょ?」と聞かれるようになったら、真の断わり上手といえるでしょう。

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子供のハスキーボイス(学童嗄声など)

●子供の嗄声を治したい

言語戦略研究所所長の齋藤匡章です。

キッズボイスには、お子さんの嗄声(ハスキーボイス、ガラガラ声)
についてのご相談がたまに寄せられます。

今日も、キッズボイスではありませんが、
「娘の嗄声を治してあげたい」とのご相談がありました。

小中学生くらいの活発なお子さんがハスキーボイスぎみの場合、
いわゆる学童嗄声と呼ばれるケースが多い。

声の出し過ぎで声帯結節ができ、声が常にかすれている状態で
元気な男の子によく見られます。

たいていの子供は発声を習わないので、
元気に大きな声でしゃべったり叫んだりしていれば、
声帯にトラブルを負うのは仕方ないのですが、
ひどいガラガラ声なら本人も快適ではないはずなので、
早めに対処してあげましょう。

音楽の時間に歌うとしても、みんなが楽に出せている高音が、
全身で振り絞るようにしないと出ないので、
歌うことが嫌いになってしまうかもしれません。

ハスキーボイスを個性と捉える向きもありますが、
声帯にとっては不適切な使われ方ですから、
まずは「声帯の使い方」を身につけさせてあげたほうがいいでしょう。

発声の専門家からすると、ハスキーボイスは決して良い声ではありません。
喩えるなら、ケガをして足を引きずって歩いているようなもの。

ケガやトラブルで一時的に足を引きずるのは仕方ないとしても、
治っても引きずっていたら、「それも個性」とは呼ばないでしょう。

また、人気アイドルやアニメの登場人物がハスキーボイスだとしても、
真似をしてハスキーボイスを出そうとするのは、
「足をケガしたアイドルの真似をして足を引きずってみる」ようなもの。

しかも、ハスキーボイスは声帯に負担がかかります。
やるのは自由とはいえ、オススメはできません。

やはり、澄んだ共鳴発声法が「良い声」ですから、
できる範囲で働きかけをしてあげられるといいですね。

 

1. 大声で話したり叫んだりすることが多いケース

小児や児童に多く見られる典型的な嗄声で、
思春期を過ぎる頃には自然に治ってしまうことが多いので、
さほど心配はいりません。

ただ、話している内容が聞き取れないほどの嗄声で
コミュニケーションに支障をきたしたり、
本人が苦しそうだったりするなら、
「できるだけ声を出さない」「せめて大声は出さない」
などをアドバイスして様子を見てください。

大人でも黙ったまま過ごすのは大変ですから、
小学生がアドバイスを厳格に守ってくれはしないでしょうが、
多少でも声帯への負担が減れば治りやすくなります。

ほかにも、

・力んでしゃべらない
・奇声を上げない
・叫ばない、怒鳴らない
・長い時間ずっとしゃべり続けない
・賑やかな場所でしゃべらない
・動きながら声を出さない(部活動でありがち)

といったアドバイスも適宜してあげるといいでしょう。

 

2. 大声は出さないほうなのにハスキーボイス

大声を出すタイプではないのにハスキーぎみになっているなら、
発声の仕方が原因と考えられます。

声帯にトラブルがなくても、声帯の使い方によっては、
ハスキーボイスになります。

健康な声帯の持ち主でも、森進一さんの真似や力士の真似をして、
「ごっつぁんです」などとやれますね。

その声が、「発声の仕方が原因の、健康な声帯による嗄声」です。

治し方を子供に説明するのは難しいので、
良い声とハスキーボイスが入れ替わるように混在しているなら、
良い声が出たときに「今の声、いいよ」と教えてあげるのが一番です。

常時ハスキーボイスの場合はなかなか難しいのですが、
本人が「なんとかしたい」と思っているなら、
焦らず急かさず気長に取り組むといいでしょう。

 

●ジラーレの感覚がわかれば早い

まず、森進一さんか力士の真似をして、わざと嗄声を出してみてください。

声を喉で出すと(喉声といいます)、ハスキーボイスになりやすいですね。

感覚としては、呼気を声帯に強引にぶつける感じの発声です。

そのまま息を多く漏らしながら話せば、嗄声でのしゃべりになります。

喉あるいは声帯を剥き出しにして声を出す感覚ともいえる。

もちろん本当に声帯が剥き出しになるわけではないので、
発声の説明は難しいですね。

この発声が癖になっている状態が、このケースの嗄声です。

健康な声帯の持ち主であるあなたが、
ずっと森進一さんになりきっているようなものです。

では次に、良い声を出してみましょう。

一瞬「あれっ?」と、普段の発声がわからなくなったかもしれません。

そのくらい、発声は習慣的な身体操作なので、
癖になってしまうと直すのが厄介なのです。

まあでも、一時的に物真似をした程度なら、すぐに戻せますね。

澄んだ声を出してみて。

また森進一さんになって。

また澄んだ声。

今度は力士。

また澄んだ声。

交互にやってみると、良い発声と嗄声の違いがわかるでしょう。

良い声のときに、発声のポジションを少し持ち上げて感じがしたら
感覚をうまく捉えられています。

「ジラーレの動き!」と感じたなら、とっても上手に捉えられています。

その感覚をお子さんに伝えて(そこが難しいところですが)、
嗄声の状態を変化させられるかどうかを、
ゲーム感覚でやってみてください。

とっかかりとしては、「いつも嗄声になりやすい状況」
(言葉、声量、フレーズの位置など)を利用してトレーニングしてみると
変化がつかまえやすいでしょう。

「自分の声をよく聞いて」と伝えて、声を聞く習慣をつけさせるのも
良い発声を身につける手助けになりますよ。

声の能力は、一生ものです。
その価値に本人が気づくのはずっと先のことになるでしょうが、
生涯にわたってすばらしいメリットをもたらし続けるはずです。

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言語戦略研究所でプレゼンテーション講座 齋藤匡章
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会話が続かないなら──話し方教室で会話のコツを習おう

●「会話が続かない」という悩み

言語戦略研究所所長の齋藤匡章です。

会話をテーマとする講座が近づいているので、
せっかくなら日頃の悩みが解消されやすいレッスンにしようと、
会話に関する悩みや質問を募集したところ、
「会話が続かない」というご相談が多く寄せられました。

あなたはいかがですか?
「会話が続かなくて気まずい」という状況に
困惑した経験はありますか?

今度の「秋の講座」ではもちろん「会話」を基礎から
徹底的に学んでいただきますが、
ふだんは「声のサロン」で会話や話し方を練習しましょう。

会話は、毎日の行為です。
数ヶ月に1回くらいレッスンを受けたところで、
日々の会話の中でいつの間にか「自己流」が復活してしまいます。

会話が続かないなら、続かない理由があります。
その理由が、「自己流」の中にあるのです。

「慣れ」だけでは、会話上手にはなれません。
度胸ぐらいはつくかもしれませんが、出たとこ勝負になってしまう。
うまくいく場面といかない場面の波があって、
ここ一番という大事な場面ほど「確信が持てずに終わる」。

あなたには、「これでいい」と確信が持てる会話の技術を
身につけてほしいと思っています。

そしていつか、今度はあなたが教える立場になって、
会話に悩む人たちの力になってあげてください。

そのためにも、しっかり学び、練習して、
高いレベルまで会話の技術を身につけましょうね。

会話のキャッチボール(ラリー)が長く続く
気持ちいい会話のコツを学びましょう。

* * *

言語戦略研究所「声のサロン」 齋藤匡章
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どんな仕事も話す力で差がつく

●なぜあの人のほうが仕事で成功しているのか

話し方レッスンの講師なら当たり前ですが、
ほかの仕事でも「話し方」次第で成功したり失敗したりします。

プロとして提供するサービスの中心が「話し方」ではなくても、
話し方が良ければプロとして成功するし、
話し方が下手ならプロとして成功できません。

専門家としての知識や技術は同等でも、
話し方の技量が違えば、それだけで大違い。

「伝わらなければ無いのと同じ」といいますね。
つまり、話す力がなかったら、
知識や技術が無いのと同じなのです。

具体例を挙げましょう。

 

●事例1……料理教室

料理教室の先生にとって、「提供するサービスの中心」は
料理の知識と技術です。

ところが、プロとして似たようなレベルの知識と技術があるのに
こちらの料理教室は繁盛していて、あちらの料理教室は閑古鳥。

ひとえに講師の「話す力」の差です。

わかりやすく、楽しく、興味深く、
伝わるように話せる講師の教室は人気があります。

何が言いたいのかよくわからず、
配付資料を読まないと作り方が覚えられないような料理教室では、
来た生徒も辞めてしまいます。

 

●事例2……音楽レッスン

ピアノ教室は、「優秀な先生ほど成功する」
と思われるかもしれませんが、
やはり「話す力」が大きく関わってきます。

世界コンクールで優勝するような演奏技術を持つ
優秀なピアニストでも、指導者として優秀かどうかはわかりません。

プレイヤーとコーチでは必要な能力が違って、
コーチのほうが「話す力」がよりシビアに求められます。

ピアノ教室は「ピアノを弾く技術を授けること」が目的であって、
演奏を聴く場所ではないので、
先生の演奏技術だけで運営がうまくいくわけではありません。

演奏技術などプロとしての一定の水準を超えているのは前提に過ぎない。

「あの先生はすごい。ショパンコンクールで優勝したんだから」
といった経歴を大人は喜んで退屈なレッスンに耐えられますが、
素直な子供ならレッスンがつまらなかったら
「もう行きたくない」「あの先生キライ」になる。

ピアノ教室がうまくいくかどうかは、
先生の「話す力」で決まります──なんて言い切ったら
断定しすぎと思うかもしれませんが、実際にピアノ教室を覗けば
納得できるでしょう。

 

●事例3……セールスパーソン

言うまでもないかもしれませんね。
営業マンの成績は話し方で決まります。

商品力や商品知識は「あるのが前提」として、
相手の状況や関心事を聞き、魅力をわかりやすく伝える
「話す力」によって、売れ方に差がつきます。

もしセールス担当になって行き詰まりを感じているなら、
商品知識に関して自信が持てるレベルに達しているのであれば、
やるべきことは「話す力」の向上です。

* * *

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